巨人が3年ぶりのリーグVを目指す2023年はうさぎ年。過去のうさぎ年は、1999年の上原浩治、11年の沢村拓一が新人王を獲得するなど巨人にとっては新人の当たり年でもある。今年もドラフト2位の慶大・萩尾匡也外野手(21)ら即戦力がそろう中、輝きを放つのは誰か―。巨人担当の小島和之記者が「占う」。
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巨人の球団マスコット「ジャビット」はうさぎをモチーフとしている。非常にゆかりのある干支(えと)と言えるが、巨人では近年、新人の当たり年でもある。
前々回の1999年は、ドラフト1位・上原が25登板で20勝4敗、防御率2・09で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、沢村賞を獲得して新人王。前回の2011年には同1位の沢村が29登板で11勝11敗、防御率2・03で新人王に輝いた。今年指名された新人の中にも、1位の浅野のみならず、先輩たちに続く可能性を秘めた即戦力がそろっている。
筆頭はドラフト2位で指名された慶大・萩尾だ。今秋の東京六大学リーグ戦では打率4割、4本塁打、17打点を記録して戦後16人目の3冠王。原監督は来季、不動の中堅手・丸を右翼に配置し、萩尾に対しては「センターで争ってほしい」とレギュラー候補の1人に挙げる。春季キャンプ、オープン戦とアピールに成功すれば、球団史上初の中堅での新人開幕スタメンをつかみ、新人王へと突っ走るだけの潜在能力の高さがある。
同3位の国学院大・田中は、189センチの長身から投げ下ろす最速153キロの直球とフォークが武器。同5位の西濃運輸・船迫(ふなばさま)はサイドから最速151キロの変則右腕で先発、リリーフともに可能性を秘める。同4位の創価大・門脇は走攻守に加えて高いキャプテンシーも持ち合わせ、不動の遊撃手として君臨する坂本の牙城に挑む覚悟だ。新戦力の活躍は覇権奪回につながる原動力。ルーキーが結果を残した分だけ、チームは頂点へと近づく。(小島 和之)
◆うさぎ年に活躍した巨人のルーキー
▽1999年 ドラフト1位の上原が20勝、沢村賞、新人王など驚異的な働きを見せれば、ドラ2の二岡智宏も負けてはいない。川相から遊撃の定位置を奪い、126試合に出場して打率2割8分9厘、18本塁打、51打点をマークした。
▽2011年 ドラ1の沢村は29試合で11勝11敗(5完投、1完封)、防御率2・03で新人王。同年の球宴にも出場した。