◆柔道◇ 全国高校選手権北海道予選最終日(16日、北海きたえーる)▽男子団体決勝 東海大札幌2-1北海
男女団体戦が行われ、男子は東海大札幌が2年ぶり20度目の優勝を飾った。中学時代軟式テニス部の広田聖也(2年)が先鋒でチームを勢いづけると、1勝1敗で迎えた大将戦で村上柔(やわら、2年)が“奇跡”の技あり。佐藤優作監督(32)を「100回に1回の奇跡」とうならせ、北海の連覇を阻止した。男子の東海大札幌、北海の男女チームは全国選手権(3月20日から、東京・日本武道館)に出場する。
涙でにじむ輪が、畳を降りた村上を迎え入れた。ラスト12秒。前日の個人戦で2回戦敗退だった大将は「自分でもわからない」という小外掛けで押し倒して技ありを奪った。高校総体道予選も制していた北海を撃破。佐藤監督は「100回に1回の奇跡。マジックですね」と選手たちを褒めちぎった。
全員が男になった。先鋒・広田は小学6年時に軽量級全道王者に輝くも、中学に柔道部がなく3年間テニス部。それでもブランクを猛練習でカバーし前日は73キロ級で優勝。勢いそのまま決勝は81キロ級王者と引き分け、チームに勇気を与えた。試合直前の指揮官の「男になれ!」のゲキに、全員が「行くしかない」と玉砕覚悟で攻める姿勢を貫いた。
親から柔道をやってほしいと「柔」と名付けられ、人生初の全国行きを決めた村上は「体さばきや組み手の工夫を人一倍やってきてよかった」。20年の優勝時はその後の全国選手権がコロナ禍で中止。先輩の思いも背負って目標の「4強以上」に挑む。(堀内 啓太)
〇…女子団体は北海が5連覇を成し遂げた。前日の63キロ決勝で敗れた主将・溝口を「絶対全国へ」と挑んだ一戦。先鋒・小野島が一本勝ちすると、溝口と共に和歌山・箕島中から進学してきた中堅・横地も合わせ技一本。大将・溝口は個人戦で敗れた相手と互角に渡り合い「2人のおかげで堂々と戦えた」。52キロ級に続き2冠となった横地は「昨日(溝口が)泣いている姿を見ていたので。一緒に日本一を目指したい」と頼もしく話した。