女子57キロ級で広島あおいが連覇…寝技「ネルソン返し」全試合で決まった

スポーツ報知
女子57キロ級で連覇を果たし笑顔を見せる札幌山の手・広島あおい(カメラ・堀内啓太)

◆柔道◇ 全国高校選手権北海道予選(15日、北海きたえーる)▽女子57キロ決勝 〇広島あおい 合わせ技 佐藤さくら●

 男女の個人戦が行われ、女子57キロ級で札幌山の手の広島あおい(2年)が昨年に続き同階級の連覇を果たした。男子との練習や“出稽古”効果と寝技強化で8月の高校総体からパワーアップした。「1番になりたい」と全国優勝を目標に、来年3月の全国高校選手権(20日から、東京・日本武道館)に挑む。

 ホッと息をはいた。女子57キロ級決勝。札幌山の手・広島は小内巻き込みと肩固めの合わせ技で連覇を決めた。2回戦敗退に終わった高校総体の悔しさをぶつけ「落ち着いていい試合運びができた。総体では決まらなかった寝技もうまく使えた」とうれしそうに笑った。

 苫小牧・明野中2年時に全国中学の57キロ級で3位。入学後はコロナに翻弄(ほんろう)されながら、男子と共に100キロ超のロープを1時間以上綱引きのように引っ張るトレーニングで強靱(きょうじん)な体幹と「引き力」を手に入れて成長してきた。今年9月の全日本ジュニア選手権では大学生もいる中で全体7位に入った。今大会は初戦から決勝までの全試合、自身が下の状態から一気に体を返す寝技「ネルソン返し」を使い、そのまま決め技に持っていった。「一つのものを極めて武器をつくりたい」と大会までに男子選手の動画を見て徹底研究した新たな武器を勝利につなげた。

 “出稽古”効果も生きた。「憧れ」の存在は柔道上野3姉妹の三女で、現指導者、旭川南高時代に高校総体女子70キロ級で史上初の3連覇を達成した上野巴恵さん。中学2年時の合宿で初対面して以来羨望のまなざしを向けてきた。全国レベルを痛感した高校総体後、自らアポを取り、札幌から旭川の上野氏の道場に向かった。中2の時と同じく豪快に投げ飛ばされたが「後悔しないように」とメッセージをもらい「グッときた。スイッチが入った」とエネルギーに変えてきた。

 一回り成長してつかんだ全国舞台。伊藤誠一監督(46)も「柔道IQが高い。ひらめきもすごい」とセンスを絶賛するホープは「上に登って一番になりたい」と思い描いた。

(堀内 啓太)

 〇…女子48キロ級は北海の小野島あさひ(2年)がオール一本で圧勝した。1回戦は11秒、準決勝は54秒、決勝は体落としでわずか9秒の秒殺劇。6月の高校総体道予選では南幌町の柔道クラブで先生を務める父・直彦さんから試合前に激励メールをもらい優勝。この日は当時の応援メッセージをスマホの待受にして験担ぎした。焦りとミスで16強に終わった高校総体の悔しさをぶつけ「会心の出来。キレイに決められてよかった」と笑顔を見せた。

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