青学大の原監督 山区間候補明かす「5区は若林、脇田、黒田。6区は若林、脇田、西川」…箱根駅伝連覇へ青写真

箱根駅伝の壮行会で「ピース大作戦」を発表した青学大の原晋監督はピースサイン(カメラ・小林 泰斗)
箱根駅伝の壮行会で「ピース大作戦」を発表した青学大の原晋監督はピースサイン(カメラ・小林 泰斗)

 第99回箱根駅伝(来年1月2、3日)で2年連続7度目の優勝を狙う青学大が15日、東京・渋谷区の青山キャンパスのガウチャー・メモリアル・ホールで、18日後に迫った大一番に向けて会見を行った。原晋監督をはじめスタッフと12月10日に決まった登録メンバーが出席した(一部選手は授業の関係で欠席)。

 原監督は、勝敗を大きく左右する山の特殊区間について候補メンバーを明かした。

 「5区は前回走った若林宏樹(2年)、4年目で急成長した脇田幸太朗(4年)、ルーキーの黒田朝日(1年)。だれが走っても1時間11分台で走れます。条件が良ければ1時間10分を切れるのではないでしょうか」と自信を持って話した。ただ、その上で「箱根駅伝は上り坂、下り坂、まさかがある。2年前の大会も竹石尚人(当時4年)は完璧な練習をして、確実に1時間11分台で走ると想定していたが、1時間16分(正確には1時間15分59秒)かかった。何が起こるか、分からない。十分に注意したい」と慎重な姿勢も見せた。

 山下りについても言及。「6区の候補は若林、脇田、西川魁星(4年)。6区の前半は上りで、若林、脇田は下りも走れます。複数の選手が準備しています」と話した。

 第99回箱根駅伝にはシード10校、予選会を突破した10校、予選会で敗退した大学の選手で編成される関東学生連合(オープン参加)の計21チームが出場する。出雲駅伝(10月)と全日本大学駅伝(11月)を圧勝した駒大と、箱根で圧倒的な強さを誇る青学大が優勝候補に挙がる。出雲駅伝と全日本大学駅伝でいずれも2位の国学院大、戦力が充実する順大、最多14回の優勝を誇る名門の中大、前々回で優勝まであと一歩に迫った創価大、爆発力のある東京国際大なども優勝争いに加わる力を持つ。

 激戦も予想される中、原監督は「(優勝争いの)相手は駒大。駒大が強くなったのは大八木弘明監督が変わったからと思います。前半、離されても1分以内でレースを進めたい。駒大のエースの田沢廉君(4年)とうちの近藤幸太郎(4年)は同格になったと思います」とライバルを強く意識して話した。

 学生3大駅伝で恒例となった原監督の大作戦シリーズ。今大会に向けては「ピース大作戦」を発令した。

 「今年はロシアによるウクライナ侵攻があり、今なお終わっていません。コロナ禍も終息していません。世界中に平和が訪れることを強く願います。箱根駅伝もサッカーW杯もスポーツは平和であってこそ選手は輝くことができます。平和であってこそ箱根駅伝が行われることに感謝して『ピース大作戦』で臨みます」と原監督は真面目な表情で意図を説明する。

 平和に感謝し、平和を願うピース大作戦には、もうひとつの意味がある。「アンカーは2連覇を示すピースサインで優勝のゴールテープを切ってほしい。2位のピースサインにならないように」と原監督は笑顔を交えて話した。

 青学大の連覇か。駒大の3冠達成か。あるいは、他校が台頭するか。第99回大会も熱戦となることだけは間違いない。

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