巨人のオコエ瑠偉外野手(25)が14日、都内の球団事務所で入団会見。オコエを獲得した球団の狙いと、激化する外野争いの効果を巨人担当キャップ・西村記者が占った。
オコエの加入で、来季の巨人の見どころは間違いなく外野の定位置争いとなった。
来季、原監督は不動の中堅手の丸を右翼に配置し、空いた中堅を勝負強い打撃が光る増田陸、強打と俊足で即戦力候補のドラ2・萩尾ら若手で争わせる構想を練り、さらに今季3Aで打率2割9分8厘、22発の強打を誇り、メジャーで中堅手を務めた守備力を併せ持つブリンソンも調査中。この3人が中堅争いの軸となる。来季から本格的に外野に挑戦する増田陸ら3人の“新顔センター”は未知の魅力にあふれるが、一方で計算には入れにくいはずだ。
だからこそ、その輪に強肩と俊足で守備力には実績のあるオコエが加わったことは、一定のレベルの担保となり、より3人を積極的に試すことができる。もちろんオコエが打撃の安定感を増し、一気に定位置を奪いきってもいい。球団にとっては坂本、丸が健在なうちに後継者のメドを立てておくこと、つまり次代のセンターライン育成こそが喫緊の課題であり、現役ドラフト終了時に指揮官が「チームの補強ポイントを埋めることができる有力な選手」とオコエを評した理由がそこにあると見る。
さらにはどの選手も左翼も守れることで、争いは両翼にも波及する。今季、打撃面では2割7分1厘、23本塁打と強烈な印象を残したウォーカーだって、守備面の課題を考えればうかうかしていられない。5年ぶりに古巣復帰となる長野、支配下登録時の「59」を再び背負って一からの出直しを誓う松原、腰や膝の故障から完全復活を目指す梶谷も控え、丸以外は戦国模様。ハイレベルな競争は確実で、誰が抜け出してもチーム力は確実に一段階上がる。(西村 茂展)
◆オコエに聞く
―現在の心境。
「もともと東京出身で、ジャイアンツジュニアでもあったので。13年ぶりにジャイアンツのユニホームを着られるのは光栄なこと。楽天さんにもお世話になりましたし、恩返しの気持ちも持ちながら。チームに貢献できるように結果を出していければなと思います」
―アピールポイント。
「走塁や守備というのをしっかりやりつつも、やっぱり打たないとどこのチームも1軍にいるのは難しいので、隙がない野球ができるように心掛けたいです」
―妹・桃仁花(女子バスケ日本代表で東京五輪銀メダル獲得)から激励は。
「妹はメディアを通して知りました(笑い)。直接はあんまり。あっちも忙しくて。自分もずっと電話が鳴りっぱなしだったので、お互い時間を取ってしゃべることはなかったです」
―昨年11月末に左膝関節軟骨欠損症の自家軟骨移植術を受けたが、現在は万全の状態。同級生の活躍も励みにして来季に向かう。
「小笠原(中日)はしっかり投げていましたし、同級生の活躍はやっぱり見ていて刺激になります。森下(広島)とか(高校)ジャパンですごく仲が良くて。そういう選手を見ていたら負けていられないな、という気持ちになります」