日本ハムから海外FA権を行使し、ソフトバンクに加入した近藤健介外野手が14日、福岡市内のホテルで入団会見に臨んだ。出来高を含め、移籍選手では史上最長となる7年総額50億円以上の超大型契約で、背番号3に決定。球団カラーでもある黄色のネクタイを締めて登場した。
「やっと落ち着いて、日々を過ごせるなというホッとした気持ちがあります。僕自身、野球選手として今まで培ってきた能力で勝負するのか、これからもっともっと成長したいという思いで勝負するのかを悩んだ時に、もっと厳しい環境に身を置いて、自分を成長させたいという気持ちが一番強かったです。藤本監督からは是非という言葉をいただきましたし、長谷川コーチにはホークスならではの重圧だったり、厳しい面の言葉もいただいて。そういう存在がいるのは僕の中で大きいかなと思ってます」
近藤をめぐっては楽天を除くパ・リーグ5球団の大争奪戦に発展。11月末の時点で西武、ロッテに本人が断りの連絡を入れ、12月に入って残留交渉をしていた日本ハム退団を決断した。最後は最大で6年契約と誠意を見せていたオリックスとソフトバンクの一騎打ちが続いていたが、2度目の交渉で近藤が尊敬する長谷川打撃コーチを同席させるなど、熱意をぶつけて制した。
横浜高から11年ドラフト4位で日本ハムに入団した近藤は通算1014試合に出場し、打率3割7厘、52本塁打、446打点、出塁率4割1分3厘。抜群の選球眼と巧みなバットコントロールで球界を代表する打者に成長した。昨夏の東京五輪では侍ジャパンの金メダル獲得にも貢献。今季は99試合で打率3割2厘、8本塁打、41打点。規定打席未到達ながら、出塁率は6年連続4割超えとなる4割1分8厘だった。
かねて獲得を熱望していた藤本監督は「1~5番は全部打てる。(打線に)ピースとして100%ハマるんで」と期待しており、来季は上位打線や中軸として、柳田らと打線をけん引する働きが求められる。優勝に飢えた頼もしい男が、3年ぶりの日本一奪回を引き寄せる。
◆近藤 健介(こんどう・けんすけ)1993年8月9日、千葉市生まれ。29歳。横浜高では1年夏からベンチ入り。3年春夏に甲子園出場。11年ドラフト4位で捕手として日本ハム入団。19年から外野手登録。19、20年に最高出塁率。ベストナイン3度。171センチ、86キロ。右投左打。今季年俸2億5500万円。既婚。
◇ソフトバンクの来季予想オーダー
1(二)三森
2(中)牧原大or周東
3(左)近藤
4(指)柳田
5(三)栗原
6(一)アストゥディーヨ
7(右)中村晃or正木
8(遊)今宮
9(捕)甲斐