プロ棋士を目指す将棋講師・小山怜央アマ(29)が12日、東京将棋会館で指された棋士編入試験五番勝負第2局で、岡部怜央四段に先手番で勝ち、2連勝で合格へ王手をかけた。試験は新四段5人と対戦し、3勝すれば合格となる。
戦型は角換わり腰掛け銀。中盤まで互角の展開が続いたが、先手が相手の攻めをうまく受け、終盤に威勢よく反撃に出ると、勝利をたぐり寄せた。
試験官の岡部は今年度12勝8敗で、公式戦では5連勝中と好調だった。対する小山アマも9日に行われた朝日杯オープン戦2次予選1回戦で同大会優勝経験もある千田翔太七段を下す快進撃。2次予選決勝では広瀬章人八段に敗れ、アマ初の本戦出場はならなかったものの、プロ棋士にも劣らぬ活躍っぷりを見せている。
編入試験ではこれまで、今泉健司五段と折田翔吾四段が合格しているが、2005年に特例で実施され、合格した瀬川晶司六段を合わせても、連勝ストレートでの合格者はいない。また、プロ養成機関「奨励会」に入った経験のない受験者は初めてだ。