17歳から車いすYouTuberのメッセージ…shoko著「生きる 一歩一歩、前へ」

スポーツ報知
趣味は「アロマをたくこと」と明かしたshokoさん(本人提供)

 17歳の時、交通事故の影響で頸髄損傷し、現在も車いす生活を送っているshokoさんの著書「生きる 一歩一歩、前へ」(評言社、1430円)が多くの読者に感動を与えている。昨年にはヘアケアブランド「パンテーン」のCMにも出演し、注目を集めたshokoさんがこれまでの壮絶な日々や葛藤、そして今後の将来像について心境を語った。(坂口 愛澄)

 17歳、人生が一変した。都内で行われた全日本卓球選手権の帰り道に交通事故に遭い、頸髄を損傷。車いす生活を強いられることになった。

 「頸髄を折って、車いすで一生、生活することになりました。事故の記憶はあまりないけれど、断片的に残っていて。事故直後に耳元で後輩が『先輩!』って叫んだり、救急隊員がほっぺを叩いて『名前は言えますか?』と呼び掛けていたり。でも、目が覚めたらベッドにいました」

 「今後、一生歩けない」という、つらすぎる事実は、医師から直接宣告を受けたのではなく、自ら悟ったという。

 「お医者さんは『徐々に歩けないということに気づくから、だんだんと受け入れる患者さんが多い。本人に言うか言わないかは、ご両親に任せます』と言ってたみたいで。親は私のことを思って、言いたくなかったようでした。普通は、歩けないことに一番ショックを受けると思うんですけど、私はこれからという時に道が絶たれ、卓球ができないということが一番つらかった」

 小学校1年生から卓球を始めたshokoさん。卓球の実力を買われ、大学も強豪校への入学が決まっていただけに、ショックは計り知れないものだった。

 「高校から成績が出始めて。何でこんなにハマったのかは分からないんですけど、とにかく楽しかった。人生の軸になっていたものが奪われた感覚でした」

 入院生活は約2年に及び、熱心にリハビリに励んだ。絶望感からか「感情の浮き沈みは何度もあった」と振り返った。

 「何も一人でできない上に、17歳で親や他人に介護してもらわないといけないという現実がつらかった。こんなはずじゃないのにという気持ちが常にありました。両親が落ち込んでるのがよく分かっていたから、『私は元気でいなくちゃいけない』と思い、悩みはなかなか打ち明けられなかったですね」

 ただ、心強い友人らの存在によって前向きになれる瞬間もわずかながらあった。職業に就くことも諦めず、パソコンの文字入力などの仕事に励んだ。

 「最初は仕事をすることが怖かったんです。握力も全くきかない中で仕事をするイメージが湧かなかった。ただ、だんだんと仕事ができることに喜びを感じられるようになり、『あっ、こんな私でもできるんだ』と自分を認めてあげることができました」

 2019年にはYouTubeで「しょうこちゃんねる」を開設。健常者に比べて、うまくいかないことも日常生活の中で多く、自分の記録を残したいと思ったことがきっかけだった。

 「動画で工夫していることはいっぱいあります。買ってよかったと思うグッズの紹介や、車の乗り入れ、そしてどうやって運転しているのかなど、たくさんの動画を上げています。ある時、『自殺しようと思っていたけど、やっぱり生きてみようと思います』と言われたことがあり、誰かの大切な命を救うことができたんだなと思い、すごく考えさせられました」

 昨年には、ヘアケアブランド「パンテーン」のCMにも出演した。しょうこちゃんねるを見た関係者からオファーがあり、出演が実現した。

 「インタビュー、めちゃくちゃ緊張してしまいました(笑い)。勝手に女優さんの気持ちを味わっていましたね。反響は想像以上にすごくて、街中でも『CM見ましたよ』と声をかけられたこともありました。やっぱりうれしかったです」

 著書を執筆するにあたって「前向きになることへの強要は絶対にしない」と、かなり気を配っていたという。病気を抱えていたり、生きづらさを感じる人々へ向け、メッセージを送った。

 「行きやすい社会、住みやすい社会を作っていくことが私の目標でもあります。つらい時、しんどい時は誰にでもある。そんな時には、とことん落ち込んでもいいんです。ちょっと前を向きたいと思った時に一歩、勇気を踏み出してほしいなと思います」

 ◆shoko(本名・高橋尚子)1993年2月4日、熊本県生まれ。29歳。2011年に交通事故に遭い、頸髄を損傷し、車いすで生活している。現在は、フリーのWEBデザイナーやYouTuberとして活躍中。自身の体験などを発信するYouTube「しょうこちゃんねる」を20年10月に開設。登録者数は7万5000人を超えている。

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