ソフトバンク・千賀滉大投手(29)が10日(日本時間11日)、メッツと合意したと複数の米メディアが報じた。5年総額7500万ドル(約102億円)の契約だという。
メッツは今オフ、今季アストロズでサイ・ヤング賞に輝いた39歳右腕・バーランダーをすでに獲得。デグロムはレンジャーズへ移籍したが、最多勝4度&サイ・ヤング賞3度で通算201勝のシャーザーも在籍しており、来季へ向けて強力な先発陣をそろえていた中に、千賀も加わった。
千賀は、今季取得した海外FA権を行使して、メジャーへ挑戦。11月に渡米した際にはメッツ、パドレスなど複数球団と面談したことも報じられていた。これまで去就については「しゃべることは何もない」と沈黙を貫いてきた右腕だったが、レッドソックス、マリナーズ、ブルージェイズなど10球団前後が争奪戦を繰り広げていたと見られる。
17年シーズン終了後からメジャーへの思いを球団に訴えてきた千賀。だが、ソフトバンクはポスティングシステムによるメジャー移籍を認めていないとあって、これまでは夢を実現できずにいた。それでも16年から7年連続で2ケタ勝利をマークし、20年に最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠に輝くなど、12年からの11年で224試合に登板し、87勝44敗、防御率2・59の成績を残した。21年東京五輪では金メダル獲得にも貢献した。
10年育成ドラフト4位で指名されてソフトバンクに入団してから、順調に階段を上がってきた。育成ドラフト出身選手がメジャーに移籍するのは初めて。夢物語を実現させた。
◆千賀 滉大(せんが・こうだい)1993年1月30日、愛知県生まれ。29歳。小、中学生時代は主に三塁手で、蒲郡高入学後に本格的に投手転向。2年生からエースを務め、10年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団した。12年4月に支配下登録。13年は中継ぎで51試合に登板し17ホールド。15年から先発に転向し、16年からローテに定着した。NPB通算224登板、87勝44敗1セーブ、防御率2・59。自己最速は164キロで、鋭く落ちるフォークは「お化けフォーク」と評される。186センチ、92キロ。右投左打。