巨人の菅野智之投手(33)が10日、3年ぶりのハワイ自主トレで野性を身につけ、無双投球を取り戻すことを誓った。成田空港発の航空機で大城、山崎伊、堀田とともに自主トレ先の米ハワイへと出発。新型コロナの影響などで過去2年は断念した同地でのトレーニングに向け、「やっぱり原点だし、ハワイに行けなくなってから成績もあまり良くなかったというか、いいオフシーズンを過ごせてなかった。すごく楽しみだし、若い子たちも連れていくので一から自分を見つめ直してやれるチャンス」と目を輝かせた。
「原点」と表すほど、ハワイへの思い入れは深い。幼少期は年末年始の家族旅行で訪れ、プロ入り後は例年自主トレ先に選んで鍛錬を積んできた。「いろんな思い出がある。年度別にこういう時にこういう練習をしたなとか、思い出すこともいろいろあるので楽しみ」。温暖な気候の下で、みっちりと来季の土台をつくれることは大きなメリット。「12月から動き始めることがすごく大事。逆に、12月にのんびりしている野球選手でいい選手は見たことがない」と引き締めた。
自身の内面を見つめ直すことをテーマとした。「(心の)中の方の強さというんですかね。芯の強さをもう一回、取り戻す。ある程度、野性的な感覚も必要だと思う」。ウェートトレーニング、ランニングの量も増やし、限界を超えた先にある感覚を求めていく。「守りに入った練習はしたくない。感覚的な問題なので、あまり深く考えすぎずに本能的にやるのが大事」と自身を追い込む覚悟だ。
最多勝、15勝、200投球回など、沢村賞を受賞した18年に匹敵する成績を目標に掲げる来季。現地ではトレーナーも2人態勢で万全のバックアップが整う。「現状維持は退化。けがを恐れずに攻めた練習をしていきたい。一度、体がぶっ壊れるくらい、しっかりトレーニングも追い込んでやっていけたら」。覚悟の言葉を残して、エースは原点の島へ向かった。(小島 和之)