囲碁・将棋の新人王表彰式が6日、東京都港区の明治記念館で行われ、囲碁の第47期新人王・酒井佑規三段と将棋の第53期新人王・服部慎一郎五段が出席した。
9月、囲碁の決勝三番勝負で大竹優七段相手に2連勝で優勝した酒井。日本棋院の小林覚会長は「誰の碁もまねしない面白い碁を打っています。たぶんあと2、3年でタイトル戦に出てくるのでは」と評した。
酒井は謝辞で「今年の夏、世界都市最強リーグに日本チームのメンバーとして参加しました。海外の棋士と打つことでとても大きな刺激を受けました。その経験が新人王の戦いに生かされた。これからも、さらに経験と努力を重ね、今まで見守り育ててくださった方々への感謝の気持ちを忘れずに、日々精進して参ります」と話した。
10~11月、将棋の決勝三番勝負で黒田尭之(たかゆき)五段相手に2勝1敗で優勝した服部。日本将棋連盟の佐藤康光会長は「近年は非常に若手の台頭が著しい。藤井聡太五冠を追う西の方の一番と思っていい存在」と評した。
服部は佐藤会長の評価について、「自分ではそのように思ったことはなかったのでびっくりしました」と驚いた様子。謝辞では「新人王を獲得された棋士の方々は偉大な棋士になっています。いつか私もと目標にしていた。これからも新人王の名に恥じないいい将棋を指していきたい」と述べ、来年の目標については「タイトル戦出場」を掲げた。
また、服部は自ら路上で漫才をやったこともあるほどの漫才好きであることで知られている。佐藤会長は「実は先日関西のイベントの映像で若手棋士と2人で漫才をやっているのを私も見た。非常に面白くて、ボケとツッコミが関西らしい。将棋でも笑いの要素は大事だと思っておりまして、バランスと笑いの感覚を保つということが長い棋士生活をしていく上ではひとつ、大事なことだと感じている。自分らしさを忘れずにこれからも時代を築ける棋士になってもらいたいなと思います」と漫才と将棋を絡めたあいさつを披露。
これに対し、次に登壇した小林理事長は「漫才を将棋界ではもうやっているということで、(囲碁界は)だいぶ遅れを取ってきたなと(笑い)酒井くん、あなたはボケしかできないと思うけども、是非頑張って下さい」とむちゃぶりで応戦。
急なお笑いバトルの勃発に、服部と酒井にも笑みがこぼれた。(瀬戸 花音)