中日からトレードでDeNAに移籍した京田陽太内野手(28)が5日、横浜市内の球団事務所で入団会見に臨んだ。年俸5000万円、背番号は「98」に決定。中日時代の同期入団で、昨年8月3日に27歳の若さで亡くなった木下雄介さんの番号を自ら選択。1歳年上の親友の思いを胸に秘め、再出発を誓った。
揺るぎない覚悟を口にした。「野球選手である以上、試合に出ないと意味がない。個人の目標は1年間遊撃で143試合レギュラーで出ること」。新天地で正遊撃手の座を狙うと宣言した。
戦友の分まで戦う。16年の育成1位で同期の木下さんは、昨年7月6日、ナゴヤ球場での練習中に意識を失い救急搬送された。意識不明の状態が続き、約1か月後に亡くなった。追悼試合で木下さんの長男、長女の手をつなぎ一緒にマウンドへ歩いたのは、家族ぐるみの付き合いがあった京田。中日時代の背番「1」ではなく、候補の中から「98」を選び取った。この日あえて理由には触れなかったが、決意は伝わった。
出直しを期す。今季はわずか43試合で打率1割7分2厘。5月に立浪監督に「戦う顔をしていない」と強制送還させられたのは横浜での試合だった。くすぶっていた状況でのトレードを「驚いた反面、正直うれしい気持ちもありました。自虐ネタですが強制送還のところにまた戻るということで。楽しみです」。今季、DeNAは中日に18勝6敗1分け。「今年はベイスターズにこてんぱんにやられました。僕が入って、もっとこてんぱんにできれば」。勝つことが何よりの恩返しになる。(宮田 和紀)
◆京田 陽太(きょうだ・ようた)1994年4月20日、石川・能美市生まれ。28歳。寺井小2年時に野球を始め、寺井中では白山能美ボーイズ所属。青森山田から日大に進み、2016年ドラフト2位で中日入団。プロ1年目の17年に球団新人記録の149安打で新人王獲得。184センチ、90キロ。右投左打。既婚。