◆柔道 グランドスラム東京大会 最終日(4日・東京体育館)
男子66キロ級は丸山城志郎(ミキハウス)が優勝を果たした。初戦から苦しい戦いが続いたが、決勝は服部辰成(東海大相模高)に開始51秒でともえ投げを決めて一本勝ち。5試合を勝ちきり「0点に近いくらい、ひどい内容。最後まで全然調子が上がらなかったが、そういう中でも勝ち抜けたことは今後につながる」と息をついた。
10月の世界選手権決勝で、東京五輪金メダルの阿部一二三(パーク24)に敗れた。3連覇を逃し、24年パリ五輪代表争いでもライバルとの差を広げられた。懸ける思いが強かったからこそ、失意は大きかった。「世界選手権に向けて全力を注いで作り上げていったので、それで負けたというのが本当に悔しくて。なかなか気持ちの面で次に向けて、ということができなかった」と振り返る。
メンタル面に苦しみながらも「やるしかない。シンプルにそういう気持ちだけだった」と必死に奮い立たせ、稽古に向かった。阿部が欠場を選んだ大会。「今回優勝したことは本当に大きいと思う。ここで負けていたら、ほぼ終わりに近い状況だった」。望みをつなぐために、絶対条件だった優勝という結果は残した。
今後も阿部を追い、負けられない戦いは続く。「今日みたいな中途半端な気持ちで戦っていたら、いつか絶対負けてしまう。また強い丸山城志郎を。一回りも二回りも成長した姿を見せられるように、毎日頑張っていきたい」と誓った。