興奮した。本当に興奮した。なんとまあ、とにかくすごい試合だった。今大会で、これまで一番の興奮度だった。私、スペイン人なんだけど(笑い)。
私は数日前から日本代表を連日取材していた。感じたことが2つ。まず、日本人はフィジカルが強いということ。この試合でも開始1分から90分まで、スペインを上回るフィジカルパフォーマンスだった。
もう一つは、日本人選手の精神力の強さ。その強さが最初に出たのがドイツ戦の逆転劇だった。ところが完全に押していたコスタリカ戦で敗戦。そこからどう立ち直るか、非常に興味があった。前半の日本は引きずっているように思えたけど、後半に再びドイツ戦で見せたスピリットが引き出された。圧巻だった。
開始11分でFWモラタが先制点を挙げたが、落とし穴が待ち受けていた。ハーフタイムではきっと、クロアチアを相手に戦う決勝トーナメントを頭に浮かべ、そのままフワフワした様子でピッチに出たように感じた。
一方の日本は正確さと滑らかさで反撃に出た。そして同点に。堂安は、背は低いけれどフィジカルが強くバランスの取れた優れた選手。あっけに取られたスペインは、なすすべなく逆転された。私にはボールがラインを完全に割っていたように見えたけど(笑い)、VARにはかなわないわ。
スペインからすれば安心したが悲しい結果。ルイスエンリケ監督がこれをどう修正するか。若い選手たちの気持ちの切り替えには不安が残る。ここから誰がどうやってチームを引っ張っていくのか…。
日本の皆さん。1位突破、本当におめでとう。あなたたちの代表は勇敢に戦い、世界にその雄姿を示しました。今後も期待しています。
◆シルビア・バルバ スペイン代表番記者。RTVEスポーツ局リポーター。46歳。10、14、18年W杯、08、12、16、21年欧州選手権現地取材。好きなサッカー選手はシャビ。記者としてのモットーは「好きな対象を好きなだけ取材する」。趣味は犬と遊ぶこと。