柔道・増山香補が東京金、銀の2選手破りGS優勝 三四郎、ベイカー、向…混戦階級で代表に一歩リード

スポーツ報知
男子90キロ級決勝、トリッペルから背負い投げの一本勝ちで優勝した増山香補(手前)(カメラ・堺 恒志)

◆柔道 グランドスラム東京大会 第1日(3日・東京体育館)

 男女6階級が行われ、男子90キロ級は増山香補(23)=パーク24=が頂点に立った。準決勝で東京五輪金メダルのベカウリ(ジョージア)、決勝で同銀のトリッペル(ドイツ)を破った。女子63キロ級は東京五輪代表の高市(旧姓・田代)未来(28)=コマツ=が結婚後初戦で優勝。日本勢は男子73キロ級の橋本壮市(31)、同81キロ級の小原拳哉(28)=ともにパーク24=、女子57キロ級の舟久保遥香(24)=三井住友海上=、同70キロ級の新添左季(26)=自衛隊=と全6階級を制した。

 増山が東京五輪金銀メダリストを連続で撃破した。王者・ベカウリとの準決勝。相手に接近戦の形に持ち込ませず、積極的に背負い投げを仕掛けた。9分39秒の激闘の末、指導3つを引き出して反則勝ち。決勝は銀メダリストのトリッペルにわずか1分31秒、豪快な背負い投げで決めた。「負けっぱなしではパリ五輪で金メダルは取れない。何としても勝つんだという気持ちだった」と胸を張った。

 初めて出場した10月の世界選手権は、2回戦でベカウリに合わせ技で一本負けを喫した。大会後は「人にあまり会いたくなかった。代表に決まってから半年間やってきたことが無駄だったのかなとか、いろんなことを考えた」というほど落ち込んだ。だが「ここで負けたらやっと代表になれたのに、危うい位置になる」と危機感を胸に再出発。今大会では1回戦のベカウリの試合を見て「戦い方を固めた」と臨機応変な戦いを見せ、優勝を勝ち取った。

 男子90キロ級は混戦の階級だ。アジア選手権優勝の村尾三四郎、リオ五輪金のベイカー茉秋、東京五輪代表の向翔一郎とライバルがそろって出場した大会で、大きくアピール。全日本男子の鈴木桂治監督も「世界選手権では手も足も出ないような状態で負けてしまった印象だったが、しっかり戦える選手だなと改めて感じた」と評価した。

 来年の世界選手権代表争いでもリードした。「ここからずっと勝っていく」。一度ははね返された世界の壁を乗り越え、パリ五輪へ突き進む。(林 直史)

 ◆増山 香補(ましやま・こうすけ)1999年3月9日、東京・千代田区生まれ。23歳。7歳で柔道を始め、修徳中、修徳高から明大を経て、昨年4月からパーク24所属。20、21年全日本選抜体重別選手権2連覇。21年バクー大会でGS初優勝、得意技は背負い投げ。座右の銘は「どうせやるなら全力で」。180センチ。

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