「2人目を産むのは無理」年間100万円“私立大学の学費並”の保育料で心折れた…大反響「子育て罰」ルポ第4弾

スポーツ報知
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 「子育て罰」というワードがネット上で注目を集めている。児童手当など所得制限などで恩恵を受けられない人が、頑張って働いても子育てに関する給付などはなくなり、たくさん子どもを産むほど苦しくなる現状を言い表した言葉だ。現在の制度の線引きで“高収入”とされる家庭の生活は決して余裕があるものではない。なかでも収入によって決まる認可保育料の保育料は家庭によって差が大きく、一部の世帯では年間100万円近くと“私立大学並み”にかかる場合がある。

■高額な保育料と激務

 2歳の子供を育てる30代会社員の女性は、夫と共働きで世帯年収は1000万円超。両親が遠方に住むなかフルタイム正社員の仕事を続けるためには保育園に入ることが必要だった。居住地は“保活”激戦地区であったため、妊娠中から市役所で情報を集め備えたが、11月生まれの子供の保活は難航。第一希望に入園することはできず、6歳まで預けることが出来ない小規模園に入園することとなった。保育料は月に8万円ほど。保育園に入りたての頃は毎週のように発熱し、月のほとんどを休む月も。職場にも申し訳ない気持ちになりつつ奔走するなか、「こんなに保育料が高いって知らなくて驚きました。ほとんど休んだ月でも減額されず8万円。軽食や制服など諸経費も含めると年に約100万円。私立大学の学費並ですよね」という。さらに夫が転勤で単身赴任となり、単身赴任手当で年収が上がったことで児童手当の所得制限ボーダーを超えたため、1万5000円が5000円まで減額。「私も1人で家事育児をしながらフルで働いて、夫の単身赴任の二重生活で家賃など生活費の負担が増えているのに…。保育料も単身赴任の生活費も、生きていくために必要なものなのに、控除も何もなく一律に手当をカットされるのは理不尽に感じる」と話した。元々子供は3人欲しかったというが、保活の苦労、金銭的にも体力的にも負担の大きい単身赴任生活の結果の所得制限による児童手当の減額、さらに今後所得制限による無償化対象外となる高校学費、所得制限で申し込むことができない大学奨学金などを考えると「心が折れた」と、一人っ子の予定だという。

 30代の医療関係で働く女性も、1歳になる双子の保育料が高額で驚いたという。一人目が月額8万円、2人目は半額になるが2人合わせて月に12万円と高額。「保育園の料金がすごく高い。仕事をやめざるをえない人も多いと思う」と話した。

■「子育て罰」で産み諦め

 10月17日、28日、11月21日にスポーツ報知WEB版で公開した第3弾までの記事では2人目、3人目を欲しかったが、給料の3分の1~4分の1ほどを税金で納めていても所得制限で支援のない児童手当、こども医療費(自治体による)、高額な0~2歳児保育料、高校学費、奨学金も申し込めない大学の学費の高さなどの不安から「産むのを諦めた」という所得制限世帯の声が多数寄せられた。11年に年少扶養控除が廃止となり、そのかわりとしての児童手当も所得制限でなくなったこと、消費税の増税や社会保険料などの負担も増えていることへの不満の声も多数上がった。

■児童手当“廃止”で再燃

 中学生以下の子どものいる世帯に支給する児童手当が、夫婦のうちどちらかが年収1200万円以上の世帯で10月支給分から廃止となったことで、再び「子育て罰」の声が上がっている。一般的に高収入とされる年収1200万円世帯も、子どもの数が多ければ多いほど余裕はなくなる。さらにコロナ禍や物価高が家計に響いているとみられ、少子化対策に逆行するとの批判がある。年収1000万なら手取りは740万円ほど。ネット上には「累進課税でたんまり取られ、手当も控除もなく、どうやって昔の人のように子育てをしろと? 働き損の子育て罰」などの声が上がっている。所得制限は児童手当に限らず、高校無償化も基本的には年収910万円以下が対象。保育園の0~2歳児も自治体や年収によって異なるが、1か月に10万円近くの保育料がかかる場合もあれば、無料の世帯もあるなど、家庭によっては同じ内容のサービスを受けても負担が年間100万円以上と現状でも差が大きい。

■共働きに優しい自治体に期待

 この問題に、摂南大・堀田裕子教授(現代社会学部就任予定)は「フルタイムで働く人は、高い税金を納めていても、子育てに関することなど経済的に優遇されていない。出産後も働き続けようという女性にとって一番支援が欲しい時期の0~2歳児保育料も高いまま」と指摘。その上で「共働きに優しい自治体」の出現を期待しているという。共働き世帯への支援が充実した自治体なら、税収アップも期待できるとしたうえで「ただし、より深刻な困難を抱えるひとり親家庭への支援が大前提ではある」と話した。子育て世帯に優しい自治体としては兵庫県明石市なども有名で、子育て世帯の流入が実際に増えた例もある。今後さらに子供への支援がなくなるという不安感と、日本の長時間労働が解消されなければ、少子化解消は難しいかもしれない。

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