ポーランド、0―2なのに“攻撃放棄” 18年日本にやられた戦術で決勝トーナメント進出

スポーツ報知
決勝トーナメント進出を決め、喜ぶポーランド・イレブン(ロイター)

 ◆カタールW杯▽1次リーグC組 アルゼンチン2―0ポーランド(30日・974競技場)

 ポーランドはメキシコと勝ち点、得失点差、総得点、直接対決で並ぶ中、フェアプレーポイントでリードする0―2の展開で“攻撃放棄”を選択。2位突破を決めた、なりふり構わぬ戦い方を岡島智哉記者が「見た」。

 ポーランドの選手が一斉にベンチを振り返った。0―2で後半終了。試合には負けた。しかし、後半途中からは“台本通り”のスコアだった。人事は尽くした。あとは天命を待つのみ―。

 後半22分、アルゼンチンに2点目を奪われた時点で、同時刻キックオフのメキシコと勝ち点、得失点差、得点数、直接対決の結果の4つで並んだ。5つめの順位決定基準は「フェアプレーポイント」。警告数はメキシコが7枚、ポーランドが4枚。このままいけば、勝ち上がり。メキシコが1点でも奪えば順位が逆転する状況だったが、後半30分過ぎから“攻撃放棄”の傾向を強めた。ロスタイム突入後は4バックから5バックに変更。0―2で逃げ切った。リーグ戦では絶対に見られない光景だ。

 試合終了の1分後。メキシコが失点し、得失点差で優位に立った。そして3分後、その瞬間は訪れた。メキシコが2―1で試合終了。2位突破が決まった。ベンチから情報を伝え聞いた選手たちが歓喜に酔いしれた。かけに勝った。ミフニエビチ監督は、後半33分にMFクリホビアクが警告を受けた場面で「心臓が飛び出そうになった」。それでも「メキシコの試合状況は把握していた」と胸を張った。

 ポーランドは逆の立場を経験していた。18年ロシアW杯1次リーグ第3戦日本戦。日本が0―1のビハインドの展開で、後半途中から突如“攻撃放棄”。自陣でのボール回しを開始し、会場を騒然とさせた。他会場のセネガルをフェアプレーポイント差でリードしていたためだった。試合はそのまま終了。日本は突破を決めたが、前代未聞の戦法は“世紀の茶番”と言われ、世界から批判された。

 あれから4年半。ポーランドを糾弾する声はほとんど聞かれない。これもまた、戦術なり。日本が前例を作ったこともあり、そんな考え方が広まったのだろう。たまたまコスタリカ戦の会場でお見かけした、ロシアW杯の日本指揮官・西野朗氏の顔が思い浮かんだ。あの人は、真の勝負師だったなあ。(岡島 智哉)

 ◆18年ロシアW杯・日本―ポーランド戦 勝ち点4で1次L最終戦を迎えた日本は0―1で敗れたが、フェアプレーポイント(FP)の差でセネガルを上回り、H組2位で決勝T進出を決めた。日本は後半14分に失点。劣勢に立たされたが、勝ち点で並んでいたセネガルが同時刻の試合で、コロンビアに0―1で負けている情報が入ると西野朗監督は同37分、ボール回しを指示。時間稼ぎに大ブーイングが起きたが、試合をそのまま終わらせた。結局、セネガル戦もスコアは変わらず、FPの差(日本=マイナス4、セネガル=マイナス6)で西野ジャパンが16強入りした。

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