ヤクルトからドラフト4位で指名された知内高の坂本拓己投手(3年)が11月30日、北海道知内町内の中央公民館で入団交渉に臨み、契約金3000万円、年俸500万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。1軍登板の際には、知内町出身の大物歌手の楽曲を登場曲に使用するプランを明かした。
知内高の坂本が決意を新たにした。仮契約を交わし「ドラフトから1か月ちょっと経って、日に日に実感が沸いてきた。小さな子供たちに夢とか希望を与える選手になりたい」と将来像を口にした。
「1年目はけがをしないで終われるように、体づくりをしたい」とルーキーイヤーの目標を口にした左腕。2年目以降は1軍のマウンドを目指すが、ホームで登板した際には高校3年間を過ごした知内町のレジェンドからエネルギーをもらうつもりだ。
日本を代表する演歌歌手・北島三郎さん(86)は知内村(現知内町)の出身。同校野球部のチャンステーマでも代表曲「まつり」を使用しており「『まつり』とか『与作』は知っている。前向きに考えたい。神宮球場で流したい」と北海道を離れても地元愛を貫いていく。
背番号は56に決定。野球漫画『MAJOR』の主人公で、160キロを超える直球が武器の茂野吾郎が背負った番号で「同じようなストレートを投げられるようになってほしい」と期待を込める橿渕スカウトグループデスク。第1話からテレビアニメを視聴していた坂本も「(茂野が)メジャーリーグに行くまでずっとアニメを見ていた。球速以上にバッターが速く感じるストレートを投げられるようになりたい」と最速147キロの直球にさらなる磨きをかける。
12月6日に本契約を交わし、来年1月の新人合同自主トレでプロ野球人生が本格的にスタート。夏から体重が5キロ増え、目標の85キロになるなど、ドラフト後もトレーニングを続けて準備を進めている。「(周囲の人が)期待してくれている。期待に応えられるように頑張りたい」。生まれ育った奥尻町、プロへの扉を開いた知内町。1軍切符を手にした暁には、地元・道南の思いを背負いマウンドに上がる。(島山 知房)