◆カタールW杯 ▽1次リーグE組 日本0―1コスタリカ(27日・アハマド・ビン・アリ競技場)
サッカーW杯で日本がコスタリカに0対1で敗れた27日、各地でため息が広がった。東京・渋谷区のスポーツバー「Fields」では約130人が日本代表に声援を送ったが、届かず。23日のドイツ戦勝利時には多くのサポーターで盛り上がったJR渋谷駅前のスクランブル交差点も、足早に通り過ぎる人が多かった。
後半36分、コスタリカのゴールが決まった瞬間、「Fields」には「ああ…」というため息が広がった。それでも逆転を信じて応援は続いたが、試合終了を告げる無情の笛がモニターから鳴り響く。勝利で大盛り上がりとなるはずだった店内には、重い空気が広がった。
横浜市の会社員・石田伽穂さん(23)は「めちゃめちゃ残念です。コスタリカ戦は勝てると思ってたから悲しいです」。旅行で東京を訪れていた宮崎県に住む23歳男性は「きょうが誕生日だったので誕生日プレゼントに勝ち点3が欲しかったけど残念です」と肩を落とした。
日本代表のエンブレムが描かれたフラッグや「燃えろ! サムライブルー! 吠えろ! サポーター!」と書かれたポスター、過去の日本代表のユニホーム。日本戦に合わせて“模様替え”された同店には、前日までに50件以上の予約電話が殺到。この日も70件以上の問い合わせがあったという。
ユニホーム姿で接客にあたった店長の田中守さん(68)は「予約客でいっぱいなので心苦しいけど全て断った」。普段のアルコールの売り上げは1日20杯程度のところ、この日は25倍の約500杯を用意したが、「勝利の美酒」とはならなかった。
大金星となったドイツ戦の後にはユニホーム姿のサポーターであふれたスクランブル交差点も、この日は“沈黙”した。全力疾走するサポーターや大騒ぎする若者らに対応するべく動員された「DJポリス」や規制用のラインを持った警察官が交通誘導を実施したが、午後10時前には早々に警戒を終了。初戦とは全く異なる景色が広がっていた。(太田 和樹)
◆ものまねブルーがエール 〇…試合終了後、サッカー日本代表のものまね芸人「ものまねブルー」がJR渋谷駅付近に姿を見せた。この日は渋谷のパブリックビューイング会場で試合を観戦。そのまま解散する予定だったが、本物の日本代表を景気づけようと街に繰り出したという。初戦に決勝点を決めたFW浅野拓磨のものまねをする浅野拓磨呂は「試合結果は残念なんですけど、切り替えてくしかないです」と力を込めた。