「俺がヒーロー」恐れや不満を自らの力に変えてきた堂安律が同点弾…担当記者が「見てきた」

スポーツ報知
後半、堂安律の同点ゴールをイレブンが祝福(カメラ・宮崎 亮太)

 日本はドイツを2―1で下し、優勝経験国から初となる歴史的な勝ち点3をつかんだ。1―1の後半38分、途中出場のFW浅野拓磨(28)=ボーフム=が勝ち越し弾。2018年ロシアW杯直前でメンバーから漏れた4年分の悔しさを晴らした。途中出場でW杯デビューしたMF堂安律(24)=フライブルク=は、後半30分に同点ゴール。日本の今大会第1号をマークした堂安の葛藤と覚悟を、金川誉記者が「見てきた」。

 まるで思いの強さで、堂安がこぼれ球を引き寄せたようにみえた。1点を追う後半30分。MF南野の折り返しをドイツ代表GKノイアーがはじくと、飛び込んできた堂安が左足で押し込んだ。「俺がヒーローになると思ってピッチに入りました。その通りになって良かったです」という言葉に、その成長を感じずにはいられなかった。

 堂安が16歳でG大阪でデビューした頃から取材をしてきた。当時はメディア向けには景気のいいコメントを残す一方で、裏では「俺、すごく不安症なんです」と語る少年だった。何より、自らの成長が止まることを恐れていた。出場機会を失うと、その不安はさらに増した。それを解消するため、理由を起用法など外に探した時期もあった。

 ただ、堂安は恐れや不満、すべてを自らの力に変えてきた。19歳でオランダに海外移籍し、森保ジャパンでは初期からチャンスをつかんだ。しかし、19年1月のアジア杯を最後に3年10か月もゴールから遠ざかり、批判のメッセージが寄せられることもあった。当時の取材で批判が気になるかと聞くと「めっちゃ気になります。でも、絶対に見返してやるんです」と笑った。ほかに理由を探していた頃のデビュー当時とは違った。

 自身初のW杯は、サブの立場で臨んだ。それでも大会直前に「俺が決める」と言い続けた様子は、強じんなメンタルとも評された。

 劇的なドイツ戦から一夜明けた24日の取材では「俺はメンタル強くないですよ。メンタル強い人って、世の中にいるのかな。最初から何も恐れず、立ち向かえる人なんていない。でも、壁に当たったり、みんながあいつ終わったな、と思ってからが、自分の見せどころだなと思っています」と明かした。弱さを知り、強さを求めたからこそ成し遂げたW杯初ゴール。今は言いたい。世の中ではそういう選手をメンタルが強い、と呼ぶと。(金川 誉)

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