【尾車親方の目】高安、全身からみなぎる「大関に戻る。絶対優勝する」 錦富士に圧力かけ続けて勝利

スポーツ報知
高安(右)が押し倒しで錦富士を破る(カメラ・佐々木 清勝)

◆大相撲 ▽九州場所11日目(23日・福岡国際センター)

 元大関・高安は錦富士との2敗対決を制し、初優勝へ向けて、単独首位の豊昇龍を星1つ差で追走した。初顔合わせの若手ホープを相手に、立ち合いから鋭く踏み込んだ。前へ、前へと圧力をかけ続けて土俵下へと押し倒した。

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 高安の必死な土俵に胸が熱くなった。言葉に出さないが、全身からみなぎるエネルギーは「もう一度、大関に戻る。絶対に優勝する」と叫んでいた。右からの気迫のかち上げと、突き離してからの右の強烈な突き落とし。元気な錦富士に残されたものの、動きを止めずに突いて馬力で押し倒した。厳しい相撲だった。

 今年、出稽古が解禁され、高安は真っ先に飛び出していった。部屋で若い力士に胸を出していても何も言われない立場。それがプライドを捨て、一門の垣根を越え、いろいろなタイプの力士の胸を借りた。実に勇気ある決断だと思う。

 大関から陥落後は数多くのケガに苦しめられた。今年の春場所では優勝決定戦で悔し涙を流した。私なら心が折れていたかもしれない。高安は違った。屈辱をジャンピングボードに再び立ち上がった。高安の背中を、御嶽海は目に焼き付けてほしい。下を向いている時間はない。御嶽海の次なるステージは、高安が道標(みちしるべ)だ。(尾車親方=元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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