◆大相撲 ▽九州場所9日目(21日・福岡国際センター)
小結・玉鷲(片男波)が、57年ぶりの珍手で2勝目を挙げた。東前頭3枚目・宇良(木瀬)との一番。足取り狙いで来た相手にもぐりこまれたが、突き放しで応戦。両手で宇良の顔を起こしつつ、最後はひねるように転がした。
とっくり投げのようにも見えたが、館内にアナウンスされた決まり手は「合掌ひねり」。幕内の土俵では、1965年九州場所9日目に大心が前田川に決めて以来となった。なお十両の土俵では87年秋場所12日目に、琴富士が南海龍に決めている。
大技を決めたが、取組後のリモート取材に現れた玉鷲に笑顔はなかった。首をつかむ技となっただけに、「あまりしちゃいけない技だなと思いましたね。間違ったら、違う方にいっちゃうじゃないですか」と相手の宇良を気遣っていた。