ナポレオンズ・ボナ植木、相方への思いと「あったま・ぐるぐる」誕生秘話 「70歳からの価齢なる人生の楽しみ方」出版

スポーツ報知
トランプを手にポーズを取るナポレオンズ・ボナ植木(カメラ・今成 良輔)

 マジシャンコンビ「ナポレオンズ」のボナ植木(70)は、昨年10月に相方・パルト小石さんを亡くし「新人ピン芸人」として活動している。プロデビューから45年、マジックで培った理論を生活術に落とし込んだ「70歳からの価齢(かれい)なる人生の楽しみ方」(イースト・プレス、1650円)を出版した。相方への思いや代表マジック「あったま・ぐるぐる」の誕生秘話などを語った。(高柳 義人)

 ボナ植木は飄々(ひょうひょう)と語り出した。「2月にピンで初めてNHKの演芸番組に出たけれど、生まれ変わったような新鮮さがあったよ」。名刺には「70歳の新人ピン芸人マジシャン」と書かれている。まだまだ元気だ。

 著書では、マジックをする上での原理などが、生きるヒントに応用できると意外な視点で展開する。ステッキなど道具は必ず予備を用意する。長年やっても予備を使うケースは一度もない。「プロは『失敗しちゃいけないという考えがあるので』。心の安心だね」と準備を怠らない。その一方、練習は1日1回と決めている。「失敗しても、もう一度やらない。次の日にやる。ステージは一発勝負で、2回できないからね」とこだわりを口にした。

 昨年、相方・パルト小石さんが亡くなった。最後の仕事は19年9月のクルーズ船でのステージ。その後、急性リンパ性白血病で入院。コロナ禍で面会もできなかった。

 大学のマジックサークルの同期で、セールスマンをしていた小石さんを口説きコンビを結成した。「口がうまいから、俺が誘ってね。本当に感謝している」。ラスベガス公演を思い出す。「英語がメチャクチャでね。でも伝わるんだ。度胸があったね。マジックも10個くらいしかできなかったはず」。トークの小石さんと実演の植木、役割分担も絶妙だった。

 代表作「あったま・ぐるぐる」は、小窓がある筒状の中に小石さんが顔を入れ、植木が回す。顔が360度、回転する“マジック”だ。「昔の大道芸にあったけれど誰も見たことがなくて。奇術研究家が『こうやるとこう見えるよ』と教えてくれて、2人でやってみた」。段ボールで手作りし、小石さんに合わせた特注のアルミ製になった。「大ネタの前にやるつなぎのネタのつもりだったけれど、人気になってトリネタになっちゃった」と笑う。何百万回も回した。「左回りだから、(ねじのように)あいつの首が取れるくらいやった」と振り返った。

 この前、封印を解いた。長男の落語家・三遊亭好の助(40)との親子会だった。サイズも偶然あった。「紋付きを着ているから、おかしくてね」と新たな可能性を感じた。まだまだやることがある。「(相方の死は)突発的なことだからしょうがない。天寿をまっとうするまで頑張って生きる。年を取ってもいいんだよと言うことを伝えたいな」

 ◆ボナ植木(ぼな・うえき)1952年、東京生まれ。70歳。専修大のマジックサークルの同期・パルト小石と「ナポレオンズ」を結成し77年にデビュー。日本テレビ系「笑点」に数多くゲスト出演するほか、海外でも活躍。88年の世界マジックコンテストでイリュージョン部門で3位に。

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