【神宮大会】東農大北海道初戦敗退も楽天ドラフト4位の伊藤茉央投手が意地見せた

スポーツ報知
3回から2番手で登板した楽天ドラフト4位指名の東農大北海道・伊藤

◆第53回明治神宮野球大会第1日 ▽大学の部1回戦 関大4-1東農大北海道(18日・神宮)

 2年連続4度目出場の東農大北海道(北海道2連盟)は、関大(関西5連盟)に1―4で敗れ、4強入りした2014年以来の初戦突破を逃した。最速151キロ左腕・金丸夢斗(2年=神港橘)から2回に先制点を奪うも、直後に逆転を許し2失点。楽天からドラフト4位指名された伊藤茉央(4年=喜多方)が2番手で登板し、5回を1安打自責点0に抑えるも反撃できずに敗れた。

 3点を追う最終回。2死一塁から最後の打者が中飛に倒れると、東農大北海道のエースはうつむきながら列に加わった。全日本大学選手権と合わせ自身5度目の全国舞台は初戦敗退。「このチームを背負う立ち位置にいる者として、(6回の)仲間のミスをカバーできる投手にならないといけない。全国で勝って監督さんを胴上げしたかった。それが一番悔しい」と目に悔し涙を浮かべた。

 左腕の石沢大和(3年=網走南ケ丘)が先発し、初回からブルペンで肩をつくっていた背番号18。逆転を許した直後の3回に出番が巡ってきて「石沢も気持ちで投げていたので、その後は林と自分でつないで勝とう」。右横手から繰り出すこの日最速145キロの直球、スライダー、シンカーを軸に3~5回は1人の出塁も許さない完璧な投球を披露。6回こそ味方のエラー、野選などで2点を失ったものの、7回は三者凡退。エースにふさわしい快投で役目を果たした。

 好投に応えたい打線だったが、3回以降は無得点。バットを短く持つコンパクトな打撃で、2回に好投手・金丸から先取点を奪ったものの、5回以降はわずか1安打に抑え込まれた。三垣勝巳監督(42)は「1点先制したところから、もう1点とれるところでとれなかったのが痛かった」と唇をかんだ。

 この日、3番手で登板した林虹太(4年=佐久長聖)とともに入学当初から東農大北海道の投手陣を支えてきた伊藤。三垣監督が「上の世界に行く投手として恥じないピッチングをしてくれた」と絶賛する投球で大学ラスト登板を終えた。地元東北でプロ野球生活をスタートさせる右腕は「『この1球』というところの精度を高めていかないと、上の舞台では通用しない。球界を代表するような投手になりたい」。「特別な場所」の神宮球場に別れを告げ、次のステージに向かって歩み始める。(島山 知房)

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