【中日】京田陽太とDeNA砂田毅樹が電撃トレード!阿部寿樹に続く二遊間崩壊も若手主体の立浪改革で黄金期目指す…担当記者が見た

スポーツ報知
DeNA・砂田(左)と中日・京田

 中日とDeNAは18日、京田陽太内野手(28)と砂田毅樹投手(27)の1対1のトレードが成立したと発表した。手薄な左の中継ぎを補強したい中日と、遊撃を固定できなかったDeNAの思惑が一致。立浪竜は、15日に楽天・涌井秀章投手(36)とのトレードが発表された阿部寿樹内野手(32)に続いて、主力の野手を放出した。その狙いとは。中日担当・長尾隆広記者が「見た」。

 阿部に続いて京田まで…。主力選手がまた一人チームを去る。偶然にも、早朝練習後のナゴヤ球場で、トレードを通告される直前の京田と話した。選手の勘は当然鋭い。球団から呼び出された時点で、自らの移籍を悟っていたのだろう。来季へ「もう、前しか見ていない。来年絶対に活躍します。岡林の最多安打を阻止してやる」と言い切った。華麗な守備で防ぐのか、はたまたバットで上回るのか。真意は京田にしか分からないが、腹を決めていたのだろう。打撃マシン相手に黙々と打ち込むと「やることは変わらないから」。そう言葉を残し、球場を後にした。

 17年新人王の京田は今季まで選手会長を務め、6年間で通算700試合に出場。新人から5年連続100試合以上、負担の大きい遊撃を守り続けた。何より「背番号1」はチームの顔。グッズ売り上げも含め、人気上位選手の移籍決定は、一筋縄ではなかったように感じる。

 レギュラー格の阿部&京田の移籍が決まると、19年から二遊間を組んだ2人同時の流出が波紋を呼び、SNS上で「中日大丈夫」がトレンドに。ファンだけでなく記者ですら「大丈夫なのか?」と戸惑っているのが、正直なところだ。

オフ14人目退団 今オフ、中日の支配下選手退団は京田で14人目。その中に実績ある背番号ひとケタ選手が京田〈1〉、阿部〈5〉、平田〈6〉、福留〈9〉と4人もいる。最近10年でBクラス9度の球団が、12年ぶりのリーグV奪還に向け、立浪監督の指示の下、本格的なチーム改革へ着手した形だ。阿部放出の際、加藤代表も「若手を使う方針」と言い切っている。

 2人のトレードが「成功」するには、チームに残る若手が活躍する以外、ない。京田に代わり遊撃をつかんだ土田は、将来のゴールデン・グラブ賞を確信させる守備力に、非凡な打撃と高度な野球脳を持つ。阿部の抜けた穴は、石川昂が必死で埋めるだろうし、最多安打に輝いた岡林も、外野のレギュラーを完全に奪った。さらに、ドラフトでは支配下で4人の内野手を獲得。現有戦力との競争をよりあおり始めたように思える。

 昨年の就任会見で「打つ方は何とかする」と言い切った立浪監督。文字通りの大出血で2、3年後の黄金時代到来という可能性に懸けた。若竜たちが死にものぐるいで、このチャンスをつかまないといけない。(長尾 隆広)

 ◆京田 陽太(きょうだ・ようた)1994年4月20日、石川・能美市生まれ。28歳。寺井小2年時に野球を始め、寺井中では白山能美ボーイズ所属。青森山田から日大に進み、2016年ドラフト2位で入団。プロ1年目の17年には、球団新人記録の149安打で新人王獲得。184センチ、90キロ。右投左打。年俸6200万。既婚。

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