奈緒 インタビュー…ロングバージョン<4>

スポーツ報知
インタビューに応じた奈緒(カメラ・矢口 亨)

 女優の奈緒(27)が主演する日本テレビ系「ファーストペンギン」(水曜・後10時)が好調だ。ドラマは2歳の息子を持つシングルマザーが、全く知らない漁業の世界へ飛び込んで寂れた漁港を救うものサクセスストーリー。奈緒は、ゴーデン・プライム(GP)帯で初の主演に「この役で未知なる世界に飛び込めたのはラッキーだった」と振り返った。20歳で役者を目指して福岡から上京。当初は苦悩する日々も多かったが、脚本家の野島伸司さん(59)と出会って道が開けたという。キーワードなったのは「準備」だった。(ペン・国分 敦、カメラ・矢口 亨)

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 <3>から続く

 野島伸司さんが総合監修を務める俳優養成学校『ポーラスター東京アカデミー』に入所してから、気持ちにも変化が出てきた。

 「自分の居場所を探そうと思って、たまたまご縁があって出会ったのが野島さんのアカデミーでした。ほぼ1年間、通っていた時間は野島さんに成長を見てもらっていました。かけられる言葉の一つ一つが自分にとってはすごく新鮮で重みのある言葉で、どんどん変わっていくのも感じました。一番変化したのは意識ですね。自分の自信は自身が作ってあげないといけないっていうこと。野島さんは物語を書かれて『セリフは自分のものにしてほしい』ってずっとおっしゃっていました。そのためにどうするか。『私はこの役をやるんだ。やっていいんだ』っていう自信が絶対ないといけないし、自信を作るために何をするのか。それが冒頭にお話しした準備につながるんです。これでもかってぐらい準備するのは全部自分に自信をつけるためで、それがないと現場には怖くて行けないなって今でも思っています。準備することで役に近づくところがありますね。頭で考えない部分で近づいていくみたいなのはあると思います」

 NHK朝ドラには忘れられない思い出がある。福岡時代に「まれ」(15年前期)のヒロインオーディションに落選。「わろてんか」(17年後期)「半分、青い」(18年前期)は最終審査まで進んでいる。

 「最初に『まれ』を受けた時は落ち込まなかったんですよ。自分の中でちょっとどこかで記念受験みたいな気持ちがあって『朝ドラのオーディションを受けられた』ぐらいな気持ちで、どこまで行ったかとかの感覚もなくて『落ちちゃったな』ぐらいだったんですけど、オーディションを重ねていく中で『この役をつかみたい』っていう気持ちが強くなっていくんです。『わろてんか』の最終審査で落ちた帰りは、涙が止まらなくて『私、こんなに悔しいんだ』って。そこが自分の中で何かが開けた瞬間でした」

 ―「半分、青い」で落ちた時も泣いたのか。

 「『半分―』の時は泣かなかったですね。オーディションも楽しくできて、悔いがないようにできたんで『これで落ちるってことは仕方ないか』って。悔しいよりは晴れやかな気持ちでした。『わろてんか』の時は怖かったですね。オーディションを受けている時からずっと怖くて全然楽しくなかったです。たぶん緊張しすぎて『自分に負けちゃったな』と思って、それがすごい悔しかったんでしょうね。朝ドラのヒロインはやってみたいです(笑い)」

 ドラマ、映画に舞台とさまざまなジャンルで活躍しているが、女優として食べていける実感はいそうだ。

 「まだ食べられると思っていないです。めっちゃ不安です。いつも仕事が来ることが当たり前とは思えないし、いつか突然呼ばれなくなるかもしれない。選ばれないと続けていくのも厳しいお仕事だなって思います。だから2年先ぐらい仕事の話があると、とりあえず家に帰ってお母さんに『2年後の仕事が決まったから、よっぽどのことがなければ2年は大丈夫だと思う』って毎回報告しています(笑い)。常に不安はありますけど、今は不安をマイナスには受け取めてはいません。お芝居をやりたいから不安になっちゃうんだろうし、お仕事があるっていうことに感謝しないといけないと、プラスな方に考えるようになりました。それにお仕事をしていろんな出会いがあって、いろんな方にアドバイスをもらいながら自分の中ではいい方に変わっています」

 ―素に戻れる瞬間は。

 「究極は寝てる時だと思うんですけど…。たぶん寝て、口開けて、起きたらよだれ垂れてる時とかは『あっ、めっちゃ素だな、力抜けてたんだな~』みたいな気持ちにはなります。素ということでいえば、なるべく自分の気持ちに素直にいようと思っているんです。無理はしすぎないようにしてなるべく素に近い状態にいるというか…。その時の自分の心の動きはありますけど、その動きにあまり抗(あらが)わずに、その時いたいようにいるっていうふうに最近はなってきました」

 芝居に対してウソをつかず、真っ直ぐぶち当たっていく。そこに役者としての矜持(きょうじ)を感じる。=終わり=

 ◆奈緒(なお)1995年2月10日、福岡県出身。27歳。福岡・天神でスカウトされ、2013年テレビ西日本のドラマ「めんたいぴりり」で女優デビュー。20歳で上京後、NHK朝ドラ「半分、青い。」でヒロインの親友役に抜てき。以後、数々のドラマや映画に出演。19年の日テレ系「あなたの番です」ではサイコパスのストーカー役で注目される。同年には「終わりのない」で初舞台を踏み、映画「ハルカの陶(すえ)」で初主演を務める。趣味はイラスト、カレー店巡り。特技は手話、乗馬、着付け。身長157センチ、血液型A。

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