女優の松原千明(まつばら・ちあき)さんが10月8日に米ハワイの自宅で死去していたことが16日、分かった。長女のモデル・すみれ(32)の所属事務所が発表した。64歳。死因は不明。ドラマ、映画やバラエティーなど幅広く活躍した松原さんは1988年に俳優の石田純一(68)と結婚したが、99年に離婚。97年からハワイに移住し、米国人男性と再婚したが、2009年に離婚していた。石田はこの日夜、都内で会見し、松原さんへの思いを語った。
石田はトークイベント出演後に取材に応じ、「忸怩(じくじ)たる思いです。ごめんなさいと、ありがとうと伝えたいです」と沈痛な表情で語った。訃報は死去当日の10月8日にすみれから知らされた。「『ママが亡くなりました』とメールが来て。え?って。本当であってほしくない、言葉で言い表せないくらい驚きました」と目を潤ませた。
松原さんの死因は公表されていないが、石田は「精神安定剤を服用していて、彼女の場合は、いわゆるお酒とのマッチングがあまりよくなかったように聞いています。お酒は元々好きでした」と話した。最後に会ったのはコロナ禍前。「松原さんは、全然お元気で。年齢から想像できないくらい美しくて、精神的にもいい生活してるんだなと個人的にうれしかった」と振り返りつつ、「体や心に不調があったとしたら、もう少しなにか力になれなかったのか、そういう後悔はあります」と悔やんだ。
俳優の父と元宝塚の母の間に生まれた松原さんは80年に女優デビュー。88年にABCテレビの人気バラエティー「探偵!ナイトスクープ」の初代秘書に就任した。この年に交際6年の石田と結婚。90年にすみれを出産したが、96年に週刊誌報道で石田の不倫が発覚。石田の「不倫は文化」発言などもあり、夫婦関係が連日ワイドショーで取り上げられる騒動となった。
松原さんは、すみれを連れて97年にハワイに移住。99年4月に離婚が成立した。米国人の男性教師との再婚を発表し男児を出産。「自分を認めてくれる愛が欲しかった。一主婦に戻ることに抵抗はない」と語っていたが、09年に離婚。その後はハワイと日本を行き来しながら、イベントなどに出演していた。
すみれはSNSの写真の多くを削除しており、一部で音信不通と伝えられていたが、石田は7日に会って今後のことを話すなど連絡を取り合っているという。「亡くなった直後は泣き崩れてどうにもできませんでしたが、今は一生懸命やれることをやることがママへの恩返しと言っています。近くハワイに行ってお骨を日本に持ち帰ってくれると思います。日本とハワイでお墓を作れたら」と語った。関係者によると、松原さんはすでに火葬されており、今月中にも日本で親族だけの葬儀を行う予定だという。
◆松原 千明(まつばら・ちあき)1958年2月18日、京都府生まれ。父親は俳優の原健策さん、母親は元宝塚歌劇の乙女松子さん。平安女学院短大卒の78年に信用金庫に就職するも1年で退社。79年にカネボウのCMモデルに応募し、約2万5000人からキャンペーンガールに選ばれた。80年にドラマ「結婚の四季」で女優デビュー。同年の「地震列島」で映画初出演した。