大森一樹監督死去 平成「ゴジラ」シリーズにSMAP主演「シュート!」もメガホン

亡くなった大森一樹監督
亡くなった大森一樹監督

  映画「ヒポクラテスたち」「ゴジラVSビオランテ」などの作品で知られる映画監督の大森一樹(おおもり・かずき)さんが12日午前11時28分、急性骨髄性白血病のため、兵庫県西宮市の病院で死去したことが15日、分かった。70歳。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻・聖子(せいこ)さん。後日「お別れの会」が開かれる予定。

 大森さんは、1978年「オレンジロード急行(エクスプレス)」で映画監督デビュー。その後、中学の先輩にあたる作家・村上春樹さん(73)のデビュー作「風の歌を聴け」を81年に映画化。SMAPが主演した「シュート!」(94年)などのメガホンをとった。遺作は女優・松坂慶子(70)が主演した2015年の映画「ベトナムの風に吹かれて」。平成の「ゴジラ」シリーズからシリアスに現代を捉えた作品まで幅広く世に送り出した。

 後進の指導にも尽力し、大阪電気通信大や大阪芸術大の教授を歴任。大森さんが学科長を務めた大阪芸術大学映像学科研究室の担当者は、スポーツ報知の取材に「昨年10月頃から体調を崩され、病院に入院したり出たりしていました。最後はやはり、やせていらっしゃいました」と話した。大森さんは、同大学で考案した映画作りのホップ(知ること)・ステップ(経験すること)・ジャンプ(実践すること)に基づき、映画人としての教養や作法を指導していたという。

 最後に大学に姿を見せたのは、今年7月24日に開催されたオープンキャンパス。担当者は「高校野球の甲子園で流れる本学のCM制作を職員と学生が行っており、監修として見ていらっしゃったのが最後です」と話した。大学でも「お別れの会」を開く予定だという。

 吉川晃司(映画「すかんぴんウォーク」で主演。主題歌の「モニカ」も歌い俳優&歌手デビュー)「あまりにも突然のことで、ただただ驚いています。また一緒に映画をやろうとおっしゃっていた。新しい企画も聞いていたし、脚本もみせていただいていた。言葉がありません」

 高嶋政宏(映画「トットチャンネル」でデビュー)「活動屋と、今どきのクリエイターを合体させたようなスタイルを昭和の時代からすでに確立していたすばらしい監督でした」

 ◆大森 一樹(おおもり・かずき)1952年3月3日、大阪市生まれ。京都府立医科大学医学部卒で、医師免許を持つ。高校時代から自主映画を製作。大学在学中の73年から自主上映グループ「グループ無国籍」を結成。78年「オレンジロード急行」で商業映画デビュー。「ゴジラVSビオランテ」(89年)などゴジラシリーズを手掛けた。2000年から5年間、大阪電気通信大学教授を務め、03年4月から大阪芸術大学で客員教授。05年から教授、06年4月から芸術学部映像学科長を務めていた。

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