広島の新井貴浩新監督が15日、宮崎・日南での秋季キャンプ合流2日目で若手の発奮を促すために“新井節”を存分に発揮した。
合流初日は、練習前にナインの前で訓示を行った後は、ひたすら練習を静かに見守ることに努めていた。この日は、打撃練習で若手数人に身ぶり手ぶりを交えての“初指導”も行った。2日連続の紅白戦や全体練習を終えた後には、居残り特守が行われているサブグラウンドへ。4年目の羽月隆太郎内野手の軽快な動きに目を留めると、軽妙なコミュニケーションで現場を沸かせた。
新井監督「小窪(内野守備走塁)コーチ、彼は球際に強いですか?」
小窪コーチ「はい」
羽月「強いです!」
新井監督「褒められて伸びるタイプ? 叱られて伸びるタイプ?」
羽月「褒められて伸びるタイプです!」
新井監督「かしこまりました。小窪コーチ、羽月はいつもこんなに動きがいいの?」
小窪コーチ「今日はいいです」
羽月「“今日も”いいです! 今日は特にいいです!」
新井監督「キク(菊池)に勝てるか!?」
羽月「勝てます! いや…無理です…勝ちます!?」
新井監督「いいじゃないか! 小窪コーチ、僕は用事があって離れるけど、動きがこのままか、悪くなったかどうか報告お願いします」
指揮官の持ち味でもあるユーモアたっぷりの猛ゲキだった。「支配下だけでなく、育成も。楽しみな選手が多い。羽月もすごい自信でしたね。キクに勝てるかと言えば、即答でしたからね。10年連続ゴールデングラブですからね。『頑張ります』と返ってくると思っていたら即答で『勝てます』と断言した。おもしろい」と満足そうに振り返った。
現役時代にともにプレーした堂林らもいるが、若手中心のキャンプメンバーの大半は初対面の選手だ。「向こうも『新井さん、どんな人なんだろう』と思っていると思う」。今後も抜群の対話力を駆使して、キャンプの活気をさらにあおっていく考えだ。