星組・礼真琴「息苦しさの中でも希望、勇気を見つけられる作品になれば」…宝塚大劇場「ディミトリ」上演中

スポーツ報知
ショーに合わせたブルーのジャガー柄のシャツで笑顔を見せる礼真琴(カメラ・筒井 政也)

 宝塚歌劇星組公演「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」(脚本・演出、生田大和)が兵庫・宝塚大劇場の2022年ラスト作品として上演中だ(12月13日まで)。「勇気とは、何か。」がキャッチコピーで、星組トップスター・礼真琴は「私にも勇気が必要な作品」と、ジョージア(旧グルジア)の女王を陰で支える夫の忍耐力と、未知なる民族舞踊の切れ味に全身全霊をかけている。「ショー「JAGUAR BEAT ―ジャガービート―」(作・演出、齋藤吉正)と2本立て。(筒井 政也)

■「金色の砂漠」思い浮かぶ なじみのない国への時空旅行を楽しませてくれる歌劇が今回、観客をいざなうのは、ウクライナにも近い東ヨーロッパのジョージア。並木陽氏の小説「斜陽の国のルスダン」を原作に、13世紀の王家を待ち受ける運命を描く。ディミトリ(礼)はイスラム王朝から人質としてジョージアに送られた身だが、国王が妹のルスダン(舞空瞳)を後継に指名し、幼なじみの間柄から夫婦へと変わり王配となる。しかし、不満分子の策略にかかり、絆も引き裂かれ…。

 「直感で『金色の砂漠』が思い浮かび、ディミトリに明日海りおさんを重ねるとしっくり来る自分がいた(笑い)」。王女と奴隷の禁断の恋を描いた花組作品(16~17年)と重ね合わせイメージ作り。「心から仲間と呼べる人物がいない」という孤独感も背負っており「稽古場の空気も『心が持たない!』。ひたすら人から嫌味を言われて耐える芝居が多いので、メンタルを鍛えなければ」と苦笑したが「自分の中では新しい出会い」という役柄だ。

 ダンス、衣装の着こなしも新鮮な取り組みだ。同国の民族舞踊「ジョージアンダンス」を男役が踊ったら…という演出・生田氏の想像が本作の出発点。劇団屈指のダンサー・礼にとっても未踏の領域だった。「女性が踊るバレエの逆を目指して作られた踊りとお聞きしました。ジャズダンスもモダンダンスも右回りですが、私たちも慣れない左回り。ポーズとポーズの間も見せてはいけなくて、静止画のように動く。切れ、力強さが重要で、なったことのない筋肉痛に(苦笑)」と厳しい稽古を積んだ。

■新鮮ジョージアンダンス 服の袖に、羽根のような装飾が付いた「チョハ」という独特の民族衣装も見どころだ。「手の可動域が限られるので、動き方も研究しました。衣装の美しさ、きらびやかさもお見せできたら」と“コスチュームの星組”の本領も発揮。「息苦しさの中でも、やっぱり希望、勇気を見つけられる作品になったらいいな」と、光を見出そうとしている。

 一方のショーは「愛とは何か」をテーマに、活気にあふれる内容。半人半獣のジャガーとして「ショーで一つの役を演じ切るのは初めて」。舞台設定も「ジャングルをイメージされると思いますが、ゲームの『ファイナル・ファンタジー』のような、斬新な世界」とPR。月組から5月に組替えされ、星組生としては大劇場初登場の3期後輩・暁千星(あかつき・ちせい)も激しくスパークしている。

 その暁も出演した先の全国ツアーはコロナ禍で中止もあり、22年の舞台は全公演で影響を受けた。「耐えて苦しんだ1年でしたが、それ以上にお客様への感謝、仲間の支えを感じました」。本公演の稽古中にトップ就任丸3年が経過。20年3月の宝塚大劇場お披露目公演終了時ごろから試練の日々だったが「きっとこの3年で心は強くなったのでは。『何が来たって乗り越えてやる』『何回、潰されてもはい上がる』…あきらめない気持ち、くじけない思いは年々強くなっているかな」。東京では来年1月2日~2月12日に上演。年またぎの作品で、さらに一回り大きくなりそうだ。

■真風涼帆の存在大きかった 〇…来年6月に退団する宙組トップスター・真風涼帆=写真=は礼の3期上で、宙組に組替えされる2015年まで星組の上級生。「ゆりかさん(真風)なしで今の私はないと思うぐらい新人公演時代に叱っていただき、導いてくださった。他組のトップさんが頑張っていらっしゃる姿はコロナ禍を乗り越える一つの勇気、希望。ゆりかさんの存在は本当に大きかった」と感謝。真風の卒業後は自身がトップ歴最長になる。「宝塚はいい意味での縦社会もありますけど、やはり自分が経験したものに自信を持って進んでいけたら」と来夏以降を見据えた。

 ◆礼 真琴(れい・まこと)12月2日生まれ。東京・江戸川区出身。第95期生の首席入団者で2009年4月「Amour それは…」で初舞台。星組配属。19年10月に星組トップスターに就任。身長170センチ。愛称「まこっつあん」「こと」「こっちゃん」。来年3~4月に大阪、東京で、フレンチ・ロックミュージカル「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」の日本初演に挑む。

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