ソフトボール・後藤希友「1球」に泣く アボットから「エース」託され「心身共に成長したい」

スポーツ報知
計6回2失点の後藤

◆ソフトボール ニトリJDリーグ ▽プレーオフ・ダイヤモンドシリーズ 豊田自動織機 2―0 トヨタ自動車(12日、千葉・ZOZOマリン)

 ニトリJDリーグの初代王者を懸けた戦いが幕を開けた。準決勝の第1試合は豊田自動織機がトヨタ自動車を8回タイブレイクの末、2―0で破り、13日の決勝進出を決めた。トヨタ自動車は先発した後藤希友(みう)投手が、再出場した延長8回に相手の9番・大平あいに2ランを浴びた。打線も相手先発のエスコベドを前に無失点に抑え込まれた。

 たった1球に泣いた。0―0の延長8回1死三塁。この回から再出場した後藤は3ボール、1ストライクでタイムを取り、1学年上の切石結女捕手に言った。「思い切り勝負してみたい」。内角と外角のどちらに投げるか、迷ったが、最後は磨いてきた左打者へのインコースを選択。大平の膝元にこの日最速タイの111キロの力強い直球を投げ込んだが、完璧にしとめられた。「自分自身で首を振って投げたボール。それが通用しなかったのはまだまだ至らなかった部分。1球の失投が点につながるんだと感じました」と悔し涙があふれた。

 大一番で先発を任された。初回先頭を死球で出したが、続く日本代表の2番・中川彩音は85キロのチェンジアップで二直に抑えた。4回には相手5番のグッドエーカーをチェンジアップで空振り三振。続く6番・竹中真海をインコースへの直球で二飛に斬った。5回を無失点で先発の役割を果たし、2番手のモニカ・アボット投手に託した。「緩急もしっかりつけられたし、真っすぐのコントロールも良かったと思う。投球内容は悪くなかったけど、最終的に…」。この日、機能していた左打者の内角への直球が、最後の最後に打ち崩された形となり、悔しさがにじんだ。

 2009年からトヨタ自動車でプレーし、今季限りで日本を離れるアボットが6回から2番手で登板。先頭打者に二塁打を浴びたものの、後続を冷静に抑え、2回を無失点投球。19年の実業団入りからその姿を見て学んできた後藤は「『エースであるためには何が必要か』を学んだ。モニカはマウンドに立っている姿だけでも、周りから見た安心感だったり、どんなにピンチでも闘志むき出しで投げている姿は誰よりも強く見えていた。今日もそうだけど、チームがうまくいかない時に盛り上げられる投手がエースだと思う。こういう姿でいないといけないと実感した」と目に涙を浮かべながら先輩を思った。

 新リーグ1季目は終了し、また来季に向けた戦いが始まる。「今日は学ぶことが多かった。この経験を来年に生かしたい」と雪辱を誓う。米国代表で出場した08年北京五輪の翌年から日本でプレーし、ソフトボール界を盛り上げてきたアボット。後藤はそんな偉大な先輩からチームの「エース」を託され、「モニカが長年、作ってきたトヨタの歴史を新しく築いていけるように投手陣全員で頑張っていきたい。心身共に成長して、来シーズンはトヨタのエースとしてやっていけるように」。21歳の左腕は自覚を口にした。

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