【明日の金ロー】原作とは違った「秘密」の描き方を楽しむことができる「そして、バトンは渡された」

スポーツ報知
原作小説とは秘密の隠され方が異なる「そして、バトンは渡された」(C)2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会

 11、18日の金曜ロードショー(後9時)は、昨年ヒットした作品が早くも地上波初登場。2週続けて俳優・田中圭(38)が主要キャストとして名を連ねているのは偶然かどうかは謎だが、11日には「そして、バトンは渡された」が枠を40分拡大して放送される。

 主人公の優子(永野芽郁)は、様々な理由から父が3人、母が2人おり、4回も名字が変わるという複雑な環境に置かれながらも、のびのびと育ってきた。現在は、義理の父親である森宮さん(田中)と2人暮らしをしているが、高校の卒業を前に悩みが尽きない。一方、梨花(石原さとみ)は、何度も夫を替えながら自由奔放な魔性の女。娘のみぃたん(稲垣来泉)には、あふれんばかりの愛情を注いでいたが、突然姿を消してしまった。

 ある時、優子の元に一通の手紙が届く。それをきっかけに、優子とみぃたんの物語は交差し、優子にはひた隠しにされていた秘密と、真実が明らかになっていく―。

 永野は、19年の本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの原作小説を読んでいた母から「実写化したら芽郁に演じてほしい」と言われており、絶対に出演したかったという。それだけに、優子という役を自分の中でしっかりと消化して演じており、家庭内の不幸を抱えながらも、努めてそれを外に見せないようにするけなげさ、その一方で時折フッと見せる寂しさを表現した。手前みそになってしまうが、本作などで昨年の報知映画賞、ブルーリボン賞の主演女優賞を受賞したのも納得の演技だ。

 瀬尾さんの原作は累計発行部数120万部(トーハン調べ)というベストセラーのため、すでに読んでいるという人も多いだろうが、個人的には映画を先に見た方が作品を楽しめると思う。小説を映像化する際には、いわゆる「脚色」が行われるが、本作ではそれがかなり大胆にされており、「秘密」「謎」に大きく関わってくるからだ。

 ネタバレになってしまうので詳細は避けるが、先に原作を読んでいると、最初から何となくモヤッとした気分になるかもしれない。さらに、映画後半で物語が大きく展開する部分で、感動よりも先に戸惑いを感じる人もいるだろう。とはいえ、すでに読んでいる人には違いを知ることで「映像だからこそ、こうやって見せるんだ」という楽しみ方をしてもらいたい。(高柳 哲人)

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