今夏の高校野球北北海道大会で、主将として旭川東を53年ぶりの準優勝に導いた今津慶介内野手(3年)が8日、慶大総合政策学部にAO入試で合格した。高校であと一歩届かなかった全国大会出場、その先にある日本一を目標に掲げて名門大学の門をたたく。
旭川東・今津が難関を突破した。例年倍率が10倍を超えることが多く「今年は14倍くらい」という試験だったが「自信はあった。周りの人も一緒に喜んでくれたのでうれしかった」と頬を緩ませた。
スポーツ推薦の枠がない同大野球部。過去にはドラフト上位候補でも不合格になるなどAO入試での入学は狭き門として知られているが、3年間貫いてきた文武両道をアピールした。
野球の北大会準優勝、学業では2年時の探究活動の科目で取り組んだ「旭山動物園応援プロジェクト」を軸に試験に臨んだ。プロジェクトではコロナ禍で入園者数が落ち込んだ動物園を救うために友人と2人でクラウドファンディングを実施。1126万円を集めた活動が評価され、1次の書類、2次の面接試験を突破した。
北大会決勝直後は他大学を志望していた。しかし、8月に旭川市内で合宿をしていた慶大の練習に参加し「人間性もプレーも格好良かった」と志望校を変更。偶然にも名前(慶介)と同じ漢字が使われている大学への進学が決まり「運命だったのかな」と今津。今後は正式入部に向けて練習を再開する予定で「神宮の舞台に立って、日本一に貢献したい」と神宮球場で活躍する姿を思い描いていた。(島山 知房)
◆今津 慶介(いまず・けいすけ)2004年11月3日、旭川市生まれ。18歳。旭川教育大付属小1年時に旭稜野球少年団で野球を始める。同付属中では旭川北稜シニアでプレーした。旭川東高では1年秋に背番号4で初めてベンチ入り。今夏の北北海道大会は1番・遊撃手で全試合にフル出場し、準優勝に貢献した。177センチ、66キロ。右投左打。家族は両親、兄、姉、弟。父の寛介氏は旭川市長。