藤井聡太竜王、初防衛王手 おやつのトマトジュース飲み出したばかり…2日制自身最速午後3時21分に決着

スポーツ報知
感想戦で対局を振り返る藤井聡太竜王(右は、広瀬章人八段=代表撮影)

 将棋の第35期竜王戦七番勝負第4局が9日、京都府福知山市の「福知山城天守閣」で8日から指し継がれ、藤井聡太竜王(20)=王位、叡王、王将、棋聖=が挑戦者・広瀬章人八段(35)を先手番の95手で破り、開幕黒星から3連勝した。午後3時21分の終局は、藤井の2日制の七番勝負のタイトル戦では最も早い決着となる完勝劇。連覇&初防衛に王手をかけた。第5局は25、26日に福岡県福津市の「宮地嶽神社貴賓室」で指される。

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 明智光秀が築いた城での戦いは、夕暮れ前に竜王に軍配が上がった。午後3時21分、広瀬が早々に投了。藤井は午後3時に届けられたおやつのトマトジュースを飲み出したばかりだった。

 持ち時間各8時間、午前9時開始の2日制の七番勝負(竜王戦、王位戦、王将戦)では、渡辺明王将(当時)に挑戦した今年1月の第71期王将戦第2局の午後4時15分終局が最速勝利だったが、この日はそれよりも1時間近く早く相手を投了に追い込んだ。持ち時間をちょうど2時間残しての完勝劇だった。

 これまでの3局全てで、序盤に工夫を凝らし藤井を苦しめてきた策士・広瀬。この日も「流行形からは少し外れているが、以前は研究した手。やってみようかな」と△6三金型を繰り出したが、藤井は「あまり公式戦では指されない手ですが、前例を思い出して」と冷静にクリアした。

 今シリーズを通して課題に挙げた初日をほぼ互角で終えると、2日目は広瀬の攻めを正確にかわして午前中で優位に。昼食休憩明けの77手目▲2二歩で相手玉を薄くして「少し指せるのかな」と勝勢を意識した。「本局も難しい将棋だったんですけど、一手一手、考えながら指すことができた」。シンプルな言葉の中に余裕ものぞかせた。

 棋聖戦、王位戦に続いて開幕黒星から3連勝し、“七番勝負で2敗なし”の伝説も守った。織田信長を本能寺で討ち取った光秀は豊臣秀吉に敗れて「三日天下」の語源になったが、「歴史に残るような対局に」と誓って臨んだ初体験の天守閣決戦は、「藤井時代」が盤石であることを天下に示した。

 五冠キープにあと1勝。藤井は「2週間ほどあるので、しっかり準備して状態を整えて臨みたい」。一方の広瀬は「後がない状況になりましたが、なんとかシリーズが続くよう立て直したい」と言葉を絞り出した。

 両雄は第5局を前に、14日の順位戦A級5回戦でも対戦。ともに3勝1敗で、勝者が豊島九段(4勝1敗)とトップタイに並ぶ。藤井にとっては最年少名人記録更新へ最初で最後のチャンスのリーグ戦で、名人挑戦にも弾みが付く価値ある勝利となった。(筒井 政也)

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