【番記者の視点】浦和は9位…J1優勝の目標設定は「ミスだった」 リカルド“改革”結実せず監督交代

浦和のリカルド・ロドリゲス監督
浦和のリカルド・ロドリゲス監督

◆明治安田生命J1リーグ▽第34節 浦和1―1福岡(5日・埼玉スタジアム)

 試合後、浦和の北側ゴール裏席の中心エリアはガラガラだった。つい10分前までは勝ち越しを信じ、大勢のサポーターが大声援を送っていたのに。ラスト3戦を勝ちなしで終え、9位フィニッシュ。今季で退任するリカルド・ロドリゲス監督は自身最後の公式戦で場内一周した際、空席だらけのスタンドを静かに見つめた。

 「私を批判するグループがあるのはもちろん理解している。まずは私が責任を負わないといけない立場だが、このクラブが掲げた期待値は非常に大きかった。掲げたものが結局のところ、監督・選手たちに大きな代償を払わせる形になってしまった」。

 クラブが3年計画の3年目で掲げた目標は「優勝」。だが、年間通して上位5位に入ることは一度もなく、遠く及ばなかった。10勝15分9敗の勝ち点45。指揮官は「正直、浦和が今、タイトルを取れるとは思わない。期待値の設定がミスだった」。黒星こそ浦和より1つ少ない8敗ながら、白星は2倍の20勝を挙げた2位・川崎(勝ち点66)を引き合いに、「タイトルを目指すにあたり、我々が川崎との29点(実際は21点)の差を現実的にどう埋めてるか。その分析が正しくない、現実的なことではなかった」と嘆いた。

 今季、攻撃陣の編成は後手に回った。昨季は12月下旬に天皇杯で優勝。チームが年末まで活動したこともあり、指揮官は「移籍マーケットに入っていくことが少し出遅れた。オフの間、もっと(強化部と)密に連絡を取れていれば」と反省した。

 FWユンカーは負傷の影響で序盤は出遅れ、昨年末に獲得が発表されたMFモーベルグは新型コロナ禍の影響で4月に合流。FWシャルクの加入も同月で、西野努TDが「補強のラストピース」と期待したFWリンセンは7月加入の直後に負傷で長期離脱した。開幕時にFWは高卒1年目の木原励のみ。「優勝を掲げる上でで、果たして現実的なのかと言えばそうではない」と指摘した。

 2月12日、富士フイルム・スーパー杯で昨季J1王者の川崎を2―0で下して優勝。翌週に始まるリーグ戦へ大きな希望を感じさせた。だが、開幕当初はコロナ陽性者続出やケガ人の影響、得点力不足に苦しみ、10戦で2勝4分け4敗と低迷した。4~5月の7戦連続ドローを含め、今季はJ1最多タイの15分け。勝ちきれない試合が多かった。

 後方からパスをつないで相手を崩す戦術、ロングボールを使った縦に速い攻撃。指揮官が理想とするスタイルの成熟と結果を両輪で追い求めたが、白星は遠かった。8月のACLで決勝進出を決めたものの、9月以降は公式戦2勝5分け4敗と下降線をたどった。

 直近2年で小泉佳穂や明本考浩らJ2有望株、酒井宏樹や江坂任ら日本代表クラス、ショルツやユンカーら欧州出身選手など約30人が新加入。陣容を大幅刷新し、クラブの新スタイル構築を進めてきた。だが、その“改革”は結実しない中でロドリゲス監督が退任。新監督にはポーランド出身のマチェイ・スコルジャ氏の就任が決定的となっている中、この2年間で積み上げたプロセスを生かした進化を来季は期待したい。(浦和担当・星野 浩司)

サッカー

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×