J3リーグも残り3試合と大詰め。現在2位で、J2初昇格を目指す藤枝MYFCは6日、アウェーで5位の今治と対戦する。須藤大輔監督(45)は「自分たちらしいサッカーで圧倒して勝ちたい」と3戦ぶりの白星を期した。
9月から11戦無敗(7勝4分け)と好調ながら、直近2試合はともに1―1のドローと足踏みが続いている。昇格圏につけたことで「守りに入っている」と指揮官は指摘。その意識を変えることを今週は徹底した。まだ何も成し遂げていない。守るものはない。勇気を持ってDFラインを押し上げ、攻撃を厚くする。いつも通りにチャレンジすることを選手に説いてきた。
追い風は吹いている。前節(10月30日)の鳥取戦は90分を終えて0―1。だがロスタイムにDF神谷凱士(25)が値千金の同点ミドルを決めた。J1川崎から期限付きで今季移籍加入した身長183センチの大型レフティーにとって、これがプロ初得点だった。「ゴールシーンは何も覚えていないんです。気がついたら仲間と抱き合っていた。ゾーンに入っていました」
このドローで、長野に勝った松本と同じ勝ち点63。得失点差で2位の座を守った。ドラマチックな展開に「震えました」と杉田真彦主将(27)。須藤監督も「途中出場したDFが同点ゴールを決めるなんて。チームに風が吹いている。この風に乗っていく」と笑った。
今治戦も「いつ出てもいいよう準備していく」と神谷。先発も控え選手も一体となり、勝利だけを目指していく。