【箱根への道】全国から参加可能な24年箱根駅伝、“関西の雄”関大コーチに聞く予選会に向けた課題とは

スポーツ報知
練習する関大の選手たち(右端は亀田仁一路)(カメラ・岩田 大補)

 24年1月2、3日の第100回箱根駅伝は、全国の大学が参加可能となった。地方大学にとって距離の長い21・0975キロのハーフマラソンで競う23年の予選会通過は厳しく、参加に向けてもさまざまな難題が存在する。関東以外の大学で歴代最多3度の出場を誇る関大に現状を聞いた。9月の日本インカレ1万メートルで日本人トップの4位に入った亀田仁一路(じんいちろう、3年)は「個人的には出て戦いたい」と、92年ぶり4度目の箱根出場へ熱い思いを語った。

 関西でも箱根駅伝への関心は例年以上に高まっている。10月の箱根予選会の動画配信を視聴した関大の選手も多かった。OBで主に男子長距離部員を指導する吉田有輝コーチ(32)は「レベルが高い。予選通過校は集団走をしながらタフな条件の中で65分、66分台で10人そろう。通過と思うと、1万メートル29分30秒以内10人が目安。うちは10人平均で30分30秒くらいで、あと1分は上げないと」と92年ぶり4度目の箱根出場への道の険しさを痛感した。

 関大と箱根駅伝はなじみ深い。毎春、新入生に「陸上部の歴史」の冊子を配布。そこに戦前3度、箱根に出場した先人たちの足跡などが記されている。吉田コーチは「チームの歴史をつないでいくのは大事なこと。今の子たちには、箱根も走って五輪にも出た先輩方がいた過去を知り、未来へと頑張ってほしい」と言う。3年生エースの亀田は「関大が箱根に出た歴史は知っています。僕も箱根や五輪に出て、ここに名前を残せたら」と目を輝かせる。

 6月末、関東学生陸上競技連盟から来年の第100回箱根予選会に全国の大学が参加できることが発表された。ただ現状、関西では参加に否定的な大学も多い。最大の理由は「日程」だ。今年と同じなら10月の出雲、その翌週に箱根予選会、その3週間後に全日本、その2週間後に関西の大学で競う「丹後駅伝」となる。大経大、関学大、立命大は今年、3つの駅伝に出場する。関東勢に比べて選手層の厚さはなく、来年、箱根予選会にも参戦となれば当然、故障のリスクも高まる。

 さらに、箱根予選会挑戦には残り約1年でのハーフマラソン対策が不可避だ。年間の強化計画の見直しも迫られる。関大は夏合宿で20~24キロ走にも取り組むが、各選手の月間走行距離は平均650キロで関東勢と比べると少ない。吉田コーチは「関西の強豪校でも数人はハーフ62分台で走れると思いますが、あと1年で10人そろえるのは難しい。せめて数年前に告知していただくか(10年ごとの)記念大会ごとに地方も出してもらえるなど、方針を示していただけたら地方も本格的な強化に取り組める」と指摘する。

 地方から立川に向かう経済的な負担も大きい。また、レースに備えた事前のコース下見も不可欠だ。「予選会敗退校で『地方選抜チーム』をつくって出していただけると、地方からも参加しやすくなります。箱根から世界に通用する選手を育てたい、という関東学連の趣旨にも合致する。1人でも箱根駅伝に出た経験を持ち帰ってくれることが、地方大学の活性化にもつながる」と吉田コーチは強く訴える。

 関大が来年の箱根予選会に挑むかは新チーム発足後、話し合う。「チーム全体が出たいとなったら、出てもいいかなと思っています」と吉田コーチ。“関西の雄”の箱根への道は再び開けるか。(榎本 友一)

 ◆2府4県から参加“西の箱根”

 〇…関西学連所属の2府4県の大学が参加する「丹後駅伝」は19日に、京都府内の8区間84.5キロで22校が参加して第84回大会が予定される。“西の箱根駅伝”は日本海沿いの起伏あるコースで、24年連続67度目の出場の関大は21年4位で優勝候補に挙げられる。昨年、主要な最長区間(13.3キロ)の6区区間賞の亀田は「6区で区間新記録を出したい。丹後駅伝の認知度を上げたい」と快走を誓う。「最低でもチームで3番以内に入ってほしい」と吉田コーチは期待を込めた。

 ◆箱根駅伝に出場した関東以外の大学 関大が3回出場(1928年9位=往路7位、復路9位、31年8位=往路9位、復路8位、32年8位=往路8位、復路9位)。28年5区で津田晴一郎が区間賞を獲得し、のちの32年ロサンゼルス五輪マラソン5位につなげた。64年に立命大と福岡大がオープン参加で招待出場し、11位相当と13位相当。2004年に日本学連選抜がオープン参加し、徳山大、京産大、立命大、岡山大、北海道教大大学院の選手が出場。20チーム中6位相当と健闘した。

 ◆関大 1886年に前身の関西法律学校として設立。1905年から現校名。本部は大阪・吹田市。陸上部の創部は21年。OBで大阪・大塚高の陸上部顧問だった武田夏実駅伝監督(63)が2008年に就任。男子長距離部員は24人。主な陸上部OBは、1932年ロサンゼルス五輪男子三段跳び銅メダリストの大島鎌吉ら。

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