【巨人】大勢、MLB球「うまく利用」魔球「フォースラ」が完成! 今日侍ジャパン始動

ジャイアンツ球場の室内練習場でキャッチボールする大勢(カメラ・矢口 亨)
ジャイアンツ球場の室内練習場でキャッチボールする大勢(カメラ・矢口 亨)

 侍ジャパンに初選出された巨人の大勢投手(23)が3日、G球場で調整し魔球「フォースラ」を武器に初陣に臨む考えを明かした。代表チームは4日から始動し、5日から強化試合4試合が組まれている。滑るとされるMLB球を使用しての試合となるが「フォークがスライドするので、うまく利用できれば」と自信。ここでの好投は、来春のWBC本大会出場にもつながる。

 ルーキーで守護神を務めあげただけに、さすがの肝の据わり方だ。大勢は淡々とした表情で、強化試合へのプランを明かした。

 「フォークの落ち方はNPB球と違うので、同じように投げても同じようには落ちない。そこを変に意識しないで、その中で感覚的に合わせていって、抑えることが大事。“フォースラ”で、ちょっとフォークがスライド気味になっているので、それをうまく利用していけたらなと思います」

 今季は新人タイ記録の37セーブをマークし、侍ジャパンに初選出された。10月の秋季練習からは、MLB球を試投。NPB球と比べて滑りやすいとされるため、ケース打撃やアマチュアとの練習試合登板を経て、握りや指の位置を試行錯誤しながら、右打者の外角に逃げるように落ちていく“フォースラ”にたどり着いた。準備期間があったとはいえ、代表チームでの初陣となれば戸惑いや焦りがあってもおかしくないが、球質の違いを逆手に活路を見いだすところが頼もしい。

 17年の第4回WBCで日本の正捕手として世界に名をとどろかせた小林からは、侍の心得も伝授されたという。「『日本を背負って戦うのはめっちゃ緊張する。お前にも経験してほしい』と。日本代表という名前でやらせていただくので、それに恥じないプレーをしないといけないなという責任はあります」。この日はG球場のブルペンで投球練習。4日からは、いよいよ侍ジャパン一員としての練習が始まる。

 そして、5日の日本ハム戦(東京D)、6日の巨人戦(同)との2試合を消化した後は、9、10日とオーストラリア代表との2連戦(札幌D)に臨む。「どんな打者がいるかまだ分かりませんが、シーズン通して外国人といろいろ対戦して、その中で共通点というか、感覚的に似たような傾向があるので、そういうのをどんどん生かしていければ」。具体策は「企業秘密」としたが、海外の猛者をねじ伏せるイメージは描けている。

 今回の侍捕手陣は西武・森、ソフトバンク・甲斐、ヤクルト・中村。大勢は「“へちょいな”と思われへんように」と笑った。鋼のメンタルとフォースラで、来春本大会への道を切り開く。(尾形 圭亮)

 ◆WBC本大会の投手陣 侍ジャパンは過去4大会連続で投手13人(野手15人)態勢で臨んでいる。先発と救援の比率は監督の意向で異なっている。中継ぎ、抑えタイプで今回のメンバー外に山崎(DeNA)、松井裕(楽天)、栗林(広島)、平良(西武)ら実力者がそろっており競争は激しい。また状況次第では大谷(エンゼルス)、山本(オリックス)らが抑えなど救援に回る可能性もあり、リリーフの重要性は高まっている。大勢は栗山監督の「困った時にどこにでも突っ込める投手は優勝するために必要。大勢のメンタリティーがあったら思い切って行ってくれそうな気がするし、可能性を探る」という期待に応えたい。

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