京口紘人「持てる力は出せた」5回にダウン喫するも鬼反撃 「記憶飛び飛び」ながら寺地を追い詰めた

スポーツ報知
7回、寺地(右)にTKOで敗れ、ファンにあいさつする京口(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ▽WBC、WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 〇寺地拳四朗 7回TKO 京口紘人●(11月1日、さいたまスーパーアリーナ)

 10年ぶりの日本人王者対決となったライトフライ級王座統一戦は、WBC王者・寺地拳四朗(30)=BMB=が制した。プロ初黒星を喫したWBAスーパー王者の京口紘人(28)=ワタナベ=は悔しさとともに、頂上決戦に臨めた充実感を口にした。

 大歓声と悲鳴の中、京口は力なくロープにもたれこんだ。7回、寺地の攻勢に最後は右の2連打を浴び、沈んだ。頂上決戦で初黒星。「ファンの方には楽しんでもらえたかもしれないが、結果を出せなかった。悔しい気持ちでいっぱい」。ベルトを明け渡した。

 序盤から距離を支配された。寺地にペースを握られず、5回に右ストレートでダウン。直後に前に出て、寺地を追い詰めたが、「記憶が飛び飛びの反撃だった」。7回に力尽き、「相手はWBCのチャンピオン。強かった」と認めた。

 無敗で世界2階級制覇を果たした京口だが、決して順風満帆ではなかった。20年11月、世界戦前日に新型コロナウイルス感染が判明。試合は中止となり、「いろんなものが崩れ落ちたという気持ちになった」。後遺症にも悩まされる中、支えとなったのは家族とファン。昨年3月に米国で3度目の防衛を果たし、復活した。

 昨年9月の練習中に右手親指の付け根を骨折し全治6週間。その後、左肘や左太ももを相次いで痛め、心がまた折れかけた。それでも登録者21万人を超えるユーチューブで発信し続けるのは、応援してくれるファンがいたから。「自分だけのボクシング人生じゃない。僕は元気を与えられる存在でいたい」と、不屈の心で統一戦までたどり着いた。子供の頃に憧れていた元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎と同じ緑色のベルトには手が届かなかった。それでも、試合直後の会見場にサッパリした表情で入場。今後については熟考する。「やり切った。自分の持てる力は出せたのかなと思う」と涙声。敗れてもなお、潔かった。(大谷 翔太)

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