◆第47回社会人野球日本選手権 ▽1回戦 TDK2―4トヨタ自動車(31日・京セラドーム大阪)
広島からドラフト6位指名されたトヨタ自動車の長谷部銀次投手が、2球で空振り三振に仕留める見事な好救援で初戦突破に貢献した。
1―1同点の8回、先発・嘉陽宗一郎が一塁けん制悪送球で2死二塁のピンチとなり、1ストライクという場面から緊急登板した。初球144キロ直球で空振りを奪い、続く142キロで空振り三振。母方の8代先祖に解剖書「解体新書」を訳した蘭学(らんがく)者・杉田玄白を持つ左腕は「得点圏に走者がいったら行くと言われていたので準備はずっとしていた。自分に任された仕事としては十分にできたのかなと思います」と変則的な登板にも、動じなかった。
ドラフト指名後の初の公式戦だった。「ドラフトまでは、やっぱり正直いろいろ気が散ることはあったんですけど、今は吹っ切れている。今はまだトヨタ自動車のいち選手。この日本選手権で優勝するため、チームのために」と、持ち前の気迫を前面に出す投球スタイルで相手打者を封じ込めた。
同社の先輩には20年ドラフト1位の栗林がいる。21年ドラフト3位の中村健は中京大中京高、慶大の先輩でもある。「(先輩からは)ドラフトの後に『日本選手権、頑張って、カープに来てくれ』と言ってもらった。まずはトヨタに恩返しして、次のステージに」と、プロ野球人生に弾みをつける活躍を思い描いた。