五輪金のウルフ・アロン、1年3か月ぶりの復帰戦は3位「負けから目を背けずにやっていく」…柔道講道館杯

スポーツ報知
ウルフ・アロン

◆柔道 講道館杯 最終日(30日、千葉ポートアリーナ)

 男子100キロ級で東京五輪金メダルのウルフ・アロン(了徳寺大職)は3位となった。準決勝で植岡虎太郎(天理大)に指導3つによる反則負けを喫したが、3位決定戦は熊坂光貴(国士舘大)に内股で技ありを奪って優勢勝ちした。

 五輪王者は昨夏の東京五輪以来、約1年3か月ぶりの実戦を終え「しんどかった。本当に」と大きく息をはいた。5試合中、4試合がゴールデンスコア方式の延長にもつれ込み「後半は吐きそうになった」と苦笑い。「試合に戻ってくるまでだいぶ時間がかかったので、どこかで1回こういう試合を入れておかないと。いい意味で現状確認。練習と試合の違いを改めて感じた1日だった」としみじみと振り返った。

 4月の全日本選手権選抜体重別選手権は右足首のじん帯を痛めて回避。8月のアジア選手権は新型コロナ陽性のため、無念の欠場となったが「(12月のGS東京までに)アジア選手権で1試合挟むのと、講道館杯で1試合挟むのと、1試合というところでは同じだなと考えていたので、あまり気負いすぎずやることができた」という。一方で国内の大会に出場するのは19年4月の全日本選手権以来。「日本人選手は組み手を徹底してくる。そういう選手に勝っていくのもこれからの課題」と再確認した。

 ブランクもあり、減量にも苦しんだ。スタミナ不足も痛感。本来の状態に比べ「全然まだまだ」と冷静に評価した。ただ、実戦を経験したことで「相手も死に物狂いでやってくる中で勝負をすることが楽しいなと思ったし、まだまだこの先柔道をやっていきたいなと改めて感じた」と闘争心も湧き上がった。「今日の負けから目を背けずにやっていく。最終的に五輪2連覇につながればいい。しっかりと自分自身を見つめて、次につなげていくだけ」と表情を引き締めた。

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