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【ヒルマニアが読み解く(3)】アストロズ絶対有利の中、不安はシリーズ未勝利のバーランダーの存在

スポーツ報知
バーランダー(ロイター)

 米大リーグ公式サイトなどの予想は、アストロズの4勝2敗となっている。その大きな要因は106勝を挙げたレギュラーシーズンで2・90、7戦全勝のポストシーズンで1・88という圧倒的なチーム防御率を誇る強力投手陣の存在だ。

 中でも、トミー・ジョン手術から復帰し今でも160キロ近い直球を投げる39歳のジャスティン・バーランダーがチームの精神的支柱。今季ア・リーグ最多の18勝(4敗)を挙げ、防御率1・75は60試合制となった2020年を除けば、リーグ22年ぶりの驚異の数字をマーク。獲得すれば3度目となるサイ・ヤング賞も確実視されている。通算勝利も現役最多の244勝まで伸ばした。

 地区シリーズではマリナーズに6失点と打ち込まれるも、ヤンキースとの優勝決定シリーズは6回3安打1失点、11三振を奪ってポストシーズン(PS)歴代2位タイの通算15勝目を挙げた。

 彼のキャリアで抜けているのがワールドシリーズの勝利投手。2006年タイガース時代に初登板してから7試合で0勝6敗、防御率5・68と1勝もしていない。試合内容を見ると9イニング換算の援護点は2・13しかない。7試合で1度も3点以上とってもらえずに敗れるパターンばかり。今季レギュラーシーズンの援護点は4・58点だった事を考えればいかに少ないかがわかる。

 ヤンキース相手に勝利投手になった後、「引退は考えたこともない。野球が大好き。ユニホームを脱がされるまでプレーしたい」と今後もプレーし続ける事を示唆した右腕。オフには再びフリーエージェントの獲得合戦が待っている。

 アストロズ打線がバーランダーをバックアップしシリーズ初勝利を挙げるようなら、バルデス、ハビエルと続くドミニカ共和国出身スターターの好投を呼んで、アストロズの5年ぶり世界一が一気に加速するだろう。=おわり=

蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

 ▼閑話休題 アストロズはかつてナ・リーグに所属しており1980年にリーグ優勝決定シリーズでフィリーズと対戦している。当時は5回戦制だったが、第2戦から、ポストシーズン史上唯一の4試合連続延長戦にもつれ込みこむという激闘を続けた伝説のシリーズ。フィリーズが3勝2敗で勝ち上がり、ワールドシリーズでもロイヤルズを4勝2敗で退けチーム史上初の世界一に輝いた。

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