リポビタンDチャレンジカップ2022 ラグビー日本代表とニュージーランド(NZ)代表が29日、午後2時50分から東京・国立競技場で対戦する。この大一番を受け、スポーツ報知で、ラグビーワールドカップ2019日本大会でPRキャプテンを務め、NZ代表の大ファンでもある俳優・舘ひろし(72)と、日本代表オフィシャルスポンサー「三菱地所」でラグビーマーケティング室長を務める高田晋作氏(44)の対談が実現。約4年ぶりに行われるテストマッチと、今後の日本代表への期待を語った。
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2019年12月11日、三菱地所がまちづくりを手がける東京・丸の内に、平日の昼間にもかかわらず、約5万人が集まった。強豪がそろった世界大会で躍進したラグビー日本代表をねぎらうためだった。三菱地所がラグビー日本代表を応援するために始めた取り組み「丸の内15丁目PROJECT.」の楕円のご縁が結実したこの光景は今も記憶に新しい。
舘「あの時、(SH)田中(史朗)君がずっと泣いていたよね。その気持ち、すごく分かったよ。ラグビーは人気がないわけではないけど、あんなに人が集まるとは。どこの試合会場に行っても桜色で満杯でしょ。俺も本当、感動したもの。それだけラグビーを見たいという人がいたんだろうね」
高田「大会前はチケットが100万枚くらい余ると聞いたことがありましたが、国民的なイベントになりました。パレードは丸の内の仲通り全体が、まるでスタジアムみたいな歓声に包まれた。また日本全体が、ラグビーで一つになるような光景を作りたいなと思っています」
スタジアムを埋めたラグビーファンが盛り上がる―。そんな光景が、日本代表が世界屈指の強豪NZに挑む29日は期待される。前回18年11月に対戦した際は31―69で敗れはしたが、過去最多の5トライを挙げた。これまで6戦全敗の相手とどう戦い、勝機を見いだしていけばいいのか。
舘「相手が油断して慌てさせれば“事件”が起きる可能性はある。キックは絶対にポイント。敵陣に入ってPGを与えたら全部決められると思ったら、反則ができないと焦ってプレーが変わる。僕はNZファンだけど、日本がもし勝ったら手放しで喜ぶよ」
高田「本気の相手にどこまでやれるのかがすごく楽しみ。昔と比べて、世界の強豪とここまで渡り合う日本代表はすごいなと、一ファンとして思います。舘さんの言葉を聞いて、パッと思い浮かんだ、日本代表が勝つ瞬間を想像しながら応援したいです」
舘「7月のフランス代表戦もしかり、途中までいい試合をしても(トライまでの)あと数センチが勝ちきれない。それが今の実力だと思う。この距離は短いけど、長い。これをちゃんとトライにできるかどうかの道のりは、まだまだ長い」
NZ戦後の来月、日本代表は欧州遠征に出て列強と対戦し、さらに進化を続けて2023年、再び世界に挑む。
高田「やっぱり大会の前から盛り上がっていって、選手たちを勇気付けたり、一緒に戦っている感じが出るなど、ファンと選手に一体感が生まれるといいなと思います。コロナ禍で試合ができない期間が長かったので、今はラグビーから離れている人もいると思いますが、日本代表の戦いを見て戻ってきてくれると、めちゃくちゃ盛り上がります。『ファン大壮行会』も丸の内で実現できたらと思っています」
舘「盛り上がるには勝つこと。強くないとダメ。でも日本のファンは本当に温かいよね。日本代表にはともかく、来年につながるようなプレーをしてほしい、そう願っています」
◆29日から新CM
三菱地所は日本代表―ニュージーランド代表戦が行われる29日から、新たなCMを放送する。三菱地所がまちづくりを手がける丸の内が起点となり、ラグビー日本代表を応援し、丸の内がラグビーの“にわかファン”の新たな聖地であることを発信していく。様々な人たちが、ラグビー日本代表が戦う姿を再び見て「One Team」の力を再確認し、実感している姿が描かれる。
楽曲は富貴晴美さんが制作。13年に「我が母の記」で日本アカデミー賞音楽賞優秀賞を最年少で受賞し、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」(月~土曜・前8時)の音楽を担当する作曲家・編曲家・ピアニストによる映像とナレーションを受けたオリジナル曲。
映像は日本代表―ニュージーランド代表の試合中にも大型画面で放映予定。ラグビーへの思いの詰まった映像と音楽から3年前の熱狂と興奮をよみがえらせ、来年への期待を膨らませよう。
◆舘 ひろし(たち・ひろし)1950年3月31日、名古屋市生まれ。72歳。千種高ラグビー部で3年時はFBとして主将を務める。75年にロックバンド「クールス」のボーカルとしてデビューし、76年に映画「暴力教室」で俳優デビュー。代表作にテレビ朝日系「西部警察」(79年)、日本テレビ系「あぶない刑事」(86年)など。映画「終わった人」(中田秀夫監督)で2018年モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞。20年秋の叙勲で旭日小綬章を受章。
◆高田 晋作(たかだ・しんさく)1978年1月27日、東京都生まれ。44歳。中学からラグビーを始める。慶大時代にはラグビー部創部100周年に主将を務め、大学選手権優勝。卒業後はNHKを経て、2005年に三菱地所株式会社に入社。現在は広報部ユニットリーダー兼ラグビーマーケティング室長。「丸の内15丁目PROJECT.」などを通じ、ラグビーの魅力を多方向に発信している。