【明日の金ロー】わずか数秒のシーンにも”プロ”の演出と監督のこだわりが感じられる「君の名は。」

スポーツ報知
細部にまで新海監督のこだわりが見られる「君の名は。」(C)2016「君の名は。」製作委員会

 28日の金曜ロードショー(後9時)は、今や日本を代表するアニメーション監督となった新海誠監督が、その名を広く知らしめた「君の名は。」(2016年)を、枠を30分拡大して放送。同作は興行収入で歴代5位(邦画3位)となる250・3億円を記録した。11月11日からは新海監督の最新作「すずめの戸締まり」が公開され、番組ではその本編の冒頭12分間が独占初公開されるが、その前にまずは「君の名は。」の世界に浸ってもらいたい。

 物語は1000年ぶりとなる彗星(すいせい)の来訪を1か月後に控えた日本。田舎町に暮らす女子高生・三葉(声・上白石萌音)は、神社の巫女(みこ)として夏祭りの準備をしながらも、都会へのあこがれを抱いていた。そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。一方、東京で暮らす男子高校生の瀧(神木隆之介)は女子高生になる夢を見ていた。

 繰り返される不思議な夢と、抜け落ちた記憶と時間。そして三葉と瀧を見る周囲の反応から、2人は入れ替わっていることに気付く。最初は戸惑いながらも、その状況を受け入れ始めた2人。やがて、瀧は三葉に会いに行こうと決心するが…。

 「離れた女性に会いに行く」という大前提は、設定こそ違えど新海監督がこれまでに発表してきた作品と大きく変わらない。ただ、登場人物の設定などがより身近となっていることから物語に入りやすく、新海監督作品の”入門編”としては最適といえる。

 それだけに、過去作を見てきている人にとっては心象表現などに物足りなさを感じるところもあるだろう。だが、大作として製作されたことで資金も潤沢となり、「光の魔術師」とも称される新海監督の映像美を存分に楽しむことができることは間違いないはずだ。

 細かいシーンにまで監督のこだわりが行き届いている点も見どころ。記者が注目をしてほしいのは、三葉と妹の四葉が巫女として奉納舞をするシーンだ。同シーンをプロデュースしたのは歌舞伎俳優の中村壱太郎(32)。エンドロールには、「巫女舞創作・振付」として名前が記されている。

 実は、壱太郎は以前から新海監督の大ファン。高校生の時に「秒速5センチメートル」(07年)に衝撃を受けたという。13年には自身のラジオで新海監督をゲストとして呼び、念願の対面を果たしたのだが、その時の縁が本作での”コラボ”となったのかもしれない。

 三葉らが見せる舞で手にしている神楽鈴は、歌舞伎の代表的な舞踊「三番叟(さんばそう)」でも使うもの。壱太郎にとっては扱いはお手の物だけに、荘厳さと気高さが伝わって来るシーンができあがった。わずか数秒ながら強烈な印象を残すだろう。(高柳 哲人)

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