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【ヒルマニアが読み解く(2)】ナ・リーグDH採用の恩恵を受けたフィリーズ 29日からワールドシリーズ

スポーツ報知
フィリーズのハーパー(左)とアストロズのアルバレス(ロイター)

 ワールドシリーズでナ・リーグのチームはこれまで、ア・リーグの球場でのDH制という難題があったが、コロナ禍で一昨年暫定的に全試合採用され、今季は正式にナ・リーグも導入となった。その恩恵を最も受けたと思われるのが、後半戦42歳のプホルスの活躍が見られたカージナルスと、ポストシーズンに入ってからハーパーの大爆発となったフィリーズだろう。

 フィリーズにとって、それは予期していたことではなかった。ハーパーが右肘靱帯損傷で返球が出来ずに右翼守備につけなかったからだ。それに加えハーパーは6月に左手親指への死球で2か月間の離脱するアクシデント。復帰後も35試合で3本塁打、打率2割2分7厘とけっして復調した訳ではなかった。

 ハーパーはナショナルズ時代に4度出場したポストシーズン(PS)、19試合で5本塁打を放ったものの打率は2割1分1厘ですべて最初のシリーズで敗退。13年総額3億3000万ドルでフィリーズに移籍した途端に皮肉にもナショナルズが世界一になった。

 それだけに自分が活躍しなかった中でのPSに出場させてくれたナインへの感謝を忘れずに、地区シリーズ第1戦の3回無死一塁では左腕フリードに対し、自らの意思で送りバントを決め追加点の足がかりを作って勝利に導いた。

 ナインはそのプレーに驚きだけでなく、勝利にチーム一丸となって強敵を撃破。ハーパーのバッティングにも火が付き、その後走者を置いた打席に12打数6安打。その集大成が優勝決定シリーズ第5戦、8回の逆転2ラン。その一打で13年ぶりのワールドシリーズ進出につながった。

 一方のアストロズは正左翼手ブラントリーの故障で終盤はオールスター戦でエンゼルスの大谷翔平とファン投票DH部門で争ったアルバレスが左翼に回るケースが増えPS7試合では1試合しか座らず。マンシーニとディアスを交互にDHに起用した。ただ、アルバレスは地区シリーズ第1戦の逆転サヨナラ3ラン、第2戦の逆転2ラン。その後鳴りを潜めていた打撃も優勝決定シリーズ第4戦でタイムリー含め2安打と調子が戻ってきた。

 ワールドシリーズ初出場となったハーパーは「長い間、チームもファンもこの瞬間を待っていた。ここから始まるんだ」と燃えている。ともに強打を誇る選手をそろえているが、勝敗を決めるのはハーパー、そしてアルバレスのバットだ。

 

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

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