J2岩手・秋田豊新社長はオーナーも兼任「降格は申し訳ないがポテンシャルがあるからこそやりたいと思った」

スポーツ報知
J2岩手のオーナー兼社長に就任した秋田豊氏

 J2いわてグルージャ盛岡は25日、今季監督を務めていた秋田豊氏(52)が代表取締役オーナー兼社長に就任したと発表。親会社のNOVAホールディングスが所有する株式(全体の51・4%)の一部(同33・4%)を秋田氏に譲渡し、Jリーグで承認された。日本代表経験者でJクラブのオーナーはJ3今治の岡田武史氏(66)、J3相模原の望月重良氏(49)がいるが、監督からの転身は異例だ。

 盛岡市内のホテルで会見した秋田氏は「J1に定着できるようなチームを作りたい。(強化は)5年、10年単位で考えています」と、岩手に骨をうずめる覚悟を示した。8月に稲吉正樹オーナー(NOVAホールディングス社長)からオーナー兼社長就任の打診を受け、多くの人に相談。ほとんどは「やめた方がいい」という返事だったが、日本代表でも共闘経験がある望月氏から「やりがいもあります」と言われ、約3週間前に決断したという。

 J2クラブで唯一ないクラブハウスは2年後に完成する予定で、専用グラウンドや本拠地・いわスタの改修はクラウドファンディングや企業版ふるさと納税を活用して資金を調達する。「(J3への)降格は本当に申し訳ないけど、ポテンシャルがあるからこそやりたいと思った。今はめちゃくちゃ楽しい」。今後はチームトレーナーが監修するマッサージ店を開業し、スタジアムグルメの充実化やSNS戦略の拡大で観客動員のアップを目指す。

 来季はJ3からの再出発。「GM的な役割もやっていく。縦に速いサッカーを軸にできる監督を探しています。僕が広告塔になりながらグルージャを認知していただければ」。抜群の行動力と知名度を生かして、岩手の発展にサッカー人生をささげる。(岩崎 敦)

 ◆主な元プロ・現役選手のサッカークラブオーナー就任 元日本代表監督の岡田武史氏は14年11月に四国リーグ(当時)のFC今治の運営会社株式を過半数取得し、オーナーに就任。チームは19年にJFL3位に入り、悲願のJ昇格を果たした。元日本代表MF望月重良氏は08年に相模原(現J3)を創設し、現在もオーナーを務める。同MF本田圭佑は15年にオーストリア3部のSVホルンに投資し、経営に参入(19年撤退)。現在はカンボジア1部ソルティーロ・アンコールFC、ウガンダ1部ソルティーロ・ブライトスターズの実質的オーナーを務める。

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