【高校野球】「清原」が甲子園に帰ってくる 次男・勝児の慶応センバツ決めた

準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児はガッツポーズ(カメラ・泉 貫太)
準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児はガッツポーズ(カメラ・泉 貫太)

◆高校野球秋季関東大会 ▽準々決勝 慶応7―3昌平(25日・大宮公園)

  来春センバツの参考資料になる関東大会の準々決勝が行われ、西武、巨人などで活躍した清原和博氏(55)の次男・勝児内野手(1年)を擁する慶応(神奈川2位)が昌平(埼玉1位)を逆転で下して4強入り。2018年以来5年ぶり10度目のセンバツ出場を確実とした。勝児は4打数無安打だったが、小技と守備で勝利に貢献。父がPL学園時代に大活躍した甲子園に、「清原」の名を再び刻む。

 「清原」が甲子園に帰ってくる。4点リードの9回2死一塁。最後の打者の打球が左翼手のグラブに収まると、勝児は力強くガッツポーズを繰り出した。来年のセンバツの関東・東京地区の出場枠は「7」あり、4強は当確ライン。5年ぶりの出場が決定的となった。「本当にうれしい。みんなに感謝です」。笑顔がはじけた。

 本塁打を放った1回戦から打順を上げ、「6番・三塁」でスタメン。2戦連発とはいかず無安打だったが、守備と小技で貢献した。1点ビハインドで迎えた2回無死二塁の第1打席は「準備していた」と初球で送りバントを成功。逆転への流れを作った。「自分ができる最大限のプレーをしようと思っていました」。守備では、逆転直後の3回無死一、二塁で鋭いライナーを好捕すると、素早く二塁へ送球。飛び出していたランナーを刺し、併殺を完成させた。

次男・勝児の姿をスタンドから観戦した清原和博氏(カメラ・泉 貫太)
次男・勝児の姿をスタンドから観戦した清原和博氏(カメラ・泉 貫太)

 尊敬する父に勝利をプレゼントした。この日、父・和博氏は一塁側スタンドから観戦。父からは試合前に「楽しんでやってこい。悔いなく自分が最大限できることをしろ」と激励を受けた。ユニホーム左肩の裏側には父が西武時代のヘルメットにつけていた背番号3のワッペンが縫い合わされており、打席に入る前に握りしめて力をもらった。「来てもらえるだけでうれしい。お父さんの前で一戦でも多く見せられるようにしたい」。父は勝利が決まると大きな拍手を送り、喜んだ。

 憧れの甲子園。父は甲子園に5度出場し、最多記録の通算13本塁打をマークした。勝児は小学5年生の時から甲子園で父がホームランを打った映像を見て育ってきた。「ずっと見ていて、自分も活躍したいと思ってきました」。特に3年夏の準々決勝・高知商戦で剛腕・中山から左翼席中段へ突き刺した、甲子園最長不倒とも言われる140メートル級の一撃は目に焼き付いている。

準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児(左から4人目)はスタンドに向かって笑顔を見せる(カメラ・泉 貫太)
準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児(左から4人目)はスタンドに向かって笑顔を見せる(カメラ・泉 貫太)

 18年に慶応がセンバツに出場した際に聖地で初観戦した。憧れのユニホームで憧れの舞台に立つ。長打力は父譲り。アーチ再現に期待がかかるが「(本塁打は)もちろんあるけど、それよりもチームが勝つことが大事。もっと成長していきたい」。成績が足りず2回目の1年生を過ごしており、最初で最後のセンバツとなる。偉大な父に負けない輝きを見せる。(宮内 孝太)

準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児は報道陣に囲まれる(カメラ・泉 貫太)
準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児は報道陣に囲まれる(カメラ・泉 貫太)

 ◆清原 勝児(きよはら・かつじ)2005年5月1日、東京・港区生まれ。17歳。幼稚園年長から野球を始め、小学時代はオール麻布でプレー。小6時にはジャイアンツジュニアに選出された。中学時代は世田谷西シニア。慶応では昨秋に初めてベンチ入りし、今秋からレギュラー。50メートル走6秒5。173センチ、81キロ。右投右打。兄は慶大2年の正吾内野手。

 ◆甲子園での清原和博 甲子園にはPL学園時代の1983年から85年にかけて春夏通算5回出場。高1夏と高3夏に優勝し、甲子園最多13本塁打をマークしている。センバツには2回出場。高2時の84年センバツは17打数8安打8打点、3本塁打をマーク。決勝で岩倉に敗れて準優勝だった。高3時のセンバツは14打数5安打1打点、1本塁打をマーク。準決勝で伊野商に敗れ、のちに西武でチームメートとなる渡辺智男の前に3三振を喫した。

  • PL学園時代の清原和博

    PL学園時代の清原和博

準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児はガッツポーズ(カメラ・泉 貫太)
次男・勝児の姿をスタンドから観戦した清原和博氏(カメラ・泉 貫太)
準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児(左から4人目)はスタンドに向かって笑顔を見せる(カメラ・泉 貫太)
準決勝進出を決め、来春のセンバツ甲子園出場を確実にした慶応の清原勝児は報道陣に囲まれる(カメラ・泉 貫太)
PL学園時代の清原和博
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