【高校野球】海城まさかの試合日から修学旅行 試合後すぐに空港へ出発

海城の選手たちは試合後羽田空港へ急いで移動した(カメラ・うさみたかみつ)
海城の選手たちは試合後羽田空港へ急いで移動した(カメラ・うさみたかみつ)

◆秋季東京大会3回戦  海城3―12桜美林=7回コールド(23日・都営駒沢)

 東大合格者数が50人超を誇る進学校の海城がまさかのダブルブッキング?となった。3回戦が行われた23日は2年生にとって沖縄への修学旅行出発日。午前中に出発したほかの生徒たちとは別に選手たちは桜美林戦後、試合が行われた都営駒沢球場から羽田空港へ直行した。主将の樋口航介内野手(2年)は「修学旅行と野球の荷物を両方用意してきました。(試合後)球場で両親と荷物を交換です」と苦笑いだ。

 梶徹監督(43)も「これまで野球部がここまで勝ち上がることがなかったので、重なることがなかったんです。なかなかできない経験ができてよかったんじゃないですか」と笑った。旅行は2班に分かれており、第1班は27日まで、第2班は29日まで修学旅行の予定。準々決勝が29日のため、この日勝った場合は2班の選手は1日前倒しで帰京し、試合に備える予定だったという。

 試合は3点リードされた直後の2回、2死満塁から1番の神作優志外野手(2年)が左翼線に走者層の3点適時二塁打。同点に追い付くと球場は一般客からも大歓声が飛んだ。結局15安打を浴びて12失点し、7回コールド負けとなったが選手たちは大きな経験を積んだ。

 東大野球部を目指している樋口は1回戦の第3打席から2回戦まで8打数連続安打を記録。この日は3打数無安打に終わったが今大会で自信を深めた。「ここまでこられた経験を生かしたい」とキッパリ。冬に練習を積んで来夏はさらに上を目指すことを誓った。

 最後は「勝って修学旅行に行きたかったけれど…。少し野球を忘れます」と樋口は笑顔で球場を後にし、沖縄に向かった。(雑誌『報知高校野球』取材班)

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