【ドラフト】1位公表合戦は“代わり”に目を向けさせたい発想…担当記者が読み解く

スポーツ報知
昨年のプロ野球ドラフト会議抽選箱

 今年のドラフト戦線は、9球団がそれぞれ異なる選手を1位として公表する異例の事態となった。先んじて候補選手を囲い込むかのような公表合戦の裏にある意図とは…。アマチュア野球担当の浜木俊介記者が、その背景を「読み解く」。

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 球場へ視察に訪れるスカウトに1位候補の名前を挙げてもらっても、すぐに指を折る動きが止まってしまう。春先の段階から「1位の12人がそろうのか…」と言われ続けたドラフト戦線は、9月28日に巨人が高松商・浅野翔吾外野手の1位指名を公表すると、意外な方向へ動き出した。

 巨人に続けとばかり、ソフトバンク、西武、日本ハム、広島、オリックス、楽天、中日、ヤクルトがそれぞれ違った選手の1位指名を明らかにした。昨年は2球団だけだった事前公表が、最後は9球団にまで増えた。

 競合覚悟で固執したくなるような選手は少なく、一長一短のある「候補」から選んでいく形となった今年のドラフト。先に手を挙げれば、ライバル球団は競合して敗れた場合のリスクを考えて手を引くことも考えられる。“代わり”に目を向けさせたいという発想が、公表合戦につながっているように感じる。「明らかにする行為がマイナスになることはない」とあるスカウトは言った。

 冒頭に記したような取材を通して耳にした選手は、いずれも1位として公表されている。会議の当日まで沈黙を守った3球団が、重複指名で勝負してくる可能性は十分にある。「会議のスリルを奪ってしまう」とのファンの声も聞く指名公表だが、全てが“早い者勝ち”になるとは限らない。ドラフトの面白さ、怖さは、そこにある。(浜木 俊介)

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