地区シリーズは11日(同12日)に4カードで開幕。ヒルマニアが、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が60発&世界一なるかを予想した。
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メジャーで60本塁打以上打った打者は過去5人(8度)。そのうちポストシーズンに出場したのは1927年のベーブ・ルース(ヤンキース)、61年のロジャー・マリス(ヤンキース)、98年のサミー・ソーサ(カブス)の3人しかいない。
前記2人はワールドシリーズしかなかった時代。ルースはパイレーツ相手に第3戦に3ラン、第4戦に2ランを打つなど15打数6安打7打点の大活躍で4戦4勝の立役者となった。
レッズ相手に大舞台に立ったマリスは苦労した。最初の10打数連続ノーヒット。しかし、同点で迎えた第3戦の9回に右翼に決勝アーチを放ってチームの4勝1敗に貢献。ただ、19打数2安打で本領を発揮したとは言いがたかった。
ソーサは同率で迎えたジャイアンツとのワイルドカードをかけた1試合プレーオフこそ4打数2安打と勝利に貢献したものの、これはレギュラーシーズンに組み込まれた試合。ブレーブスとの地区シリーズは11打数2安打で本塁打、打点ともに0。3連敗で姿を消した。
ジャッジは、実はポストシーズンの経験は豊富だ。シーズン52本塁打で本塁打王となって新人王を受賞した2017年から、今年で6年連続出場(35試合で打率2割3分、11本塁打)となる。
17年のインディアンスとの地区シリーズでは20打数1安打に抑え込まれたが、チームは優勝決定シリーズに進出。アストロズ相手に3本塁打7打点と活躍も、ワールドシリーズ進出に王手をかけてから2連敗で敗退した。20年もレイズに敗れ、ワールドシリーズにはたどり着いていない。
ジャッジは62号のア・リーグ新記録をマークした4日のレンジャーズ戦で喜びを語った後に「ポストシーズンが終わるまで戦いは続く。(世界一になることが)我々の目標であり、今後の焦点だ」と言い切った。そして、記録保持者だったマリスについて「彼は61本塁打を打っただけでなく、ワールドチャンピオンにも輝いたんだ」とリスペクトしている。
ヤンキースにとって松井秀喜さんがMVPになった09年以来の世界一になって、「2022年はジャッジのシーズン」だったと球史に刻むことができるだろうか。(ベースボール・アナリスト)